劇遊びをして、こちらが「嬉しくなる」のはどんな時かというと、終わってすぐにも「またやりたい!」と言われる時です。にこにこ組(2歳)で、今日9日夕方、絵本の「てぶくろ」を題材にした劇の撮影(おたのしみ会用の本番 テイク2)をしました。劇の最後に並んで「お・し・ま・い」というのですが、その直後に「またやりたい」という声が自然と出ました。私は編集担当の先生に「この、またやりたい、は必ず入れておいてね」と頼みました。
またやりたいという意欲が生じるのは、楽しいからなのですが、あえて深堀した言い方をすると、これは「再現遊びがアートになっている証拠」です。繰り返しに耐えうるのは芸術的な要素があるからです。学校の勉強も本来はアート活動としての学びに進化するといいのですが、学校では抽象的操作の要素が多く、知識量が増えてしまうので、勉強をアート的な活動で満たすのは時間がかかり過ぎる面もあります。しかし答の暗記でしかない学力では、自己実現のパワーがつかないので心配でなりません。
劇遊びに耐えうるお話は、上に述べた要素を持っています。いい絵本とは長い歴史の試練を受けて読み継がれていることが、その証しでしょう。今回のお楽しみ会で選ばれたわいわい(3歳)の「おおきなかぶ」も、にこにこ(2歳)の「てぶくろ」も内田莉莎子さんが訳して日本に紹介したものです。寒いウクライナの民話である「てぶくろ」にも、日本と同様に現実と異界との往来が見られるのですが、その「境目」「境界」がおじいさんが手袋を落とし、また拾うというところで生じます。子どもたちが動物になって、その手袋に入って身を寄せう様子をぜひご覧ください。