MENU CLOSE
TEL

園長の日記

すいすいさんと物語

2021/03/24

ここのところ、年長すいすい組の話が続きますが、園生活もあと7日ですからお許しを。今日の園長のすいすいタイムは『大どろぼうホッツェンプロッツ』を読み終えました。200ページを超える小学校中学年向けのお話だけに、さすがの年長さんも、ちょっと難しい言葉や言い回しが出てくると、その都度、通じる言葉に言いかえながら読み進めました。ストーリーは簡単なのですが、プロットからプロットまでの間にある説明の面白さはまだよくわからないので、そこは、私の独り言説明が入ります。「へえ、魔法使いなんだんって。すごいな、ここの四角の中に持ち物を置いて呪文を言うと、その持ち物の人が、現れるんだって。すごいね。たとえば◯◯くんの水筒をここに置いて、魔法の言葉を言うとね、◯◯くんがどこにいたって、ここから出てくるんだよ」みたいな、私の長〜い独り言が入るわけです。

・・・ここにも発達段階の特徴と、それにあったサポートというテーマがあるのですが、それはともかく、実践的には子育ては「通じる」「わかる」「おもしろい」という状態になるにはどうするといいか、ということであり、直感的にそれができれば、しめたもの、ということでしょう。

これまで読んだ絵本でもう一回読んでほしいリクエストがあれば、それを今度は読もうか?というと、やっぱり何人かが「エルマー」を一番に挙げましたが、「長いから一回じゃ終わらないよ」とか、NUくんが『もりのへなそうる』の方がいいと、面白い箇所を話始めます。楽しいお話に目のないNくんらしい提案の仕方でした。『どこんこぶた』がいい、という子もいます。その子が選ぶ絵本には、その子らしい。いろんな絵本の中から、自分のお気に入りが決まっていくように、人生の選択が始まっているんだなあと思いました。

私の願いは、絵本や本やお話が好きになってほしいということに尽きます。物語ではなくてもいいのですが、たとえば主人公になったつもりで、いろんな体験をするようなものが、感情体験を豊かにしてくれます。擬似体験だとはいっても、子どもの頃はそれが実体験と同じくらいに没入できるので、その体験の質は実際と同じくらいに、もしかするとそれ以上に、リアルな体験になっている気がします。本の世界ほ現実よりも広くて深いのです。

保育園では、その世界を単純にたくさん楽しんできました。これからも、もっともっと、想像と物語の世界へ旅立ってほしいと願っています。

top