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園長の日記

人生の目的、と散歩の目的

2022/01/12

5歳児クラスの年長さんになると、千代田せいが保育園では毎週1回の「お手伝い保育」という活動の時間があります。今年は水曜日に実施しているのですが、年長10人が3〜4人ずつの3つのグループに分かれて、子どもたちと一緒に過ごします。事務所にもやってくるグループがあって、今日は私が3人と「冬探しの散歩」に出かけました。

冬って、どんなところに見つかるか、探してみない?というと、子どもたちは「うん、やる、やる!」と大張り切り。見つけた冬や、袋に入れたり写真を撮ったりします。柳原通りでまず見つけた冬は、「葉っぱのない木」でした。神田川を眺めましたが、見つかりません。

柳森神社で初詣をして、「今年も安全に健やかに過ごせますように」とお願いしました。

ボタン屋さんに寄ったのですが、ちょうど留守の様子。「また、今度」ということにして、ふれあい橋を渡り、万世橋警察署のお巡りさんに「おはようございます」と挨拶して、社会福祉協議会アキバ分室の子育てひろばにお邪魔しました。

広場には2組の赤ちゃん親子がいらっしゃっていて、「見学させてもらった保育園ですね」と、ちょっとした交流の開始。園児3人は初めてきた広場に興味津々でしたが、しばらくするとBGMがわりにスクリーンに流してある動画「はたらくくるま」に熱中してしまうのでした。好きなものは、子どもは正直に反応するものです。6階のテラスから、風景を眺めた後、アキバ分室を後にして、11時に開くマーチの施設内へ向かいます。

ここには中央線が分かれ走る辺りに位置するので、北側と南側の両方を走る電車を目の前で見ることができます。小さい子ほど面白がる場所なのですが、年長さんは、もうそれほど「わあ、すごい!」とはなりません。それでも何回か電車が来るのを楽しみました。

そこを降りると、ちょっと水分補給をして鬼ごっこの始まり。3人で駆け回って15分ほど体を動かして遊びました。

広い空間に出ると、子どもはその空間を味わいたいのか、走り出します。これは心の解放感の表れのように私には見えるのですが、伸び伸びと心の皺を伸ばすように、空間の中に色々な動線の軌跡ができていきます。もしその軌跡を可視化して空間画用紙のようなものに残すことができたら、走り回ってできる「絵」は、現代アート作品になるはずです。題名は身体が空間に描く心模様。

そして面白いのは、終着点のような場所を見つけたいのか、ベンチに座っている私に時々、乗っかってきます。私がソファーになって、その上でしばらく寛ぐと、また駆け出していくのです。それを何度も繰り返すのですが、この行ったり来たりにも、人生の往還という象徴的な断片を感じてしまうのでした。

そこな建物の玄関前のピロティ空間で、子どもたちは上の方を見上げると、黒いツルツルの天井に自分達の姿がぼんやりと映るのが面白くて、それを見ながら自分達の動きを楽しむという遊びを発見してました。大人には気付かない遊びです。

都会で季節の冬を見つけるのは難しいのですが、アキバ名物「おでん」が冬らしい、という発見もありました。

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