赤ちゃんは大きくなるにつれて、自分の「視野」の広がりが面白くてしょうがない、というような様子を見せてくれる時期があります。自分で動くものを追いかける視線追随の時期は、目が動く範囲の広がりが面白くなり、寝返りができるようになると、地平線が上下逆さになって大人と同じ地平を手に入れます。
頭をもたげるようになると奥行きが広がって、近くと遠くが区別できるようになります。そのうち、お座りができると、安定した視野が自分からいつも見える風景に馴染み、ずいばりで移動できるようになると、その風景が変わって見えることに気づき、探索欲求が刺激されます。あっちまで行ってみたい、と。自分の行動範囲にまで自分の世界が広がり、はいはい、つかまり立ちと移動範囲が広がるにつれて、記憶された風景への再現、つまり、もう一回見てみたい、行ってみたいという欲求も強まって、他者には意図があることを知る8〜9ヶ月ごろには「あっち」と指差して、自分と他者との間に、世界を共有できるようになっていくのです。
そんな時期からもう少し経って、探索行動にエンジンがかかってくる頃の様子が、今日のちっちのブログで報告されています。抱っこされて行ったことのある場所や見たことのある場所を覚えているので、そこへ自分で行ってみたい、見てみたいという気持ちに溢れています。
お友達と一緒というのも、安心材料なのでしょう。きっと、ときどき振り返ったりしながら、ちゃんと先生は見えるところにいて、付いて来てくれているかな、と確かめたりしながら、行きたい3階まで、階段をどんどん登っていったのでしょう。
運動ゾーンまでやってきたという安堵感、それとも達成感、にっこりと「やったあ」「来ちゃったあ」という笑顔が嬉しそう。こんな赤ちゃんたちの様子を見ると、成長というのは、まさしく自分の世界が、いろんな意味で(行動範囲も、自分の視野も、理解できる世界も)広がっていくことなんだなあ、と実感しますね。