(動画はIDパスワードが必要な「お知らせ」からどうぞ。2月26日から)
子どもの育ちを伝えたい。そういう趣旨の「成長展」が今週末の26日(土)に開かれます。日本の保育園や幼稚園は、子どもの育ちを5つの視点で捉えることになっています。それは、健康、人間関係、環境、言葉、表現の5領域というものです。この話をすると、何か専門的な感じがして難しく思う方がいらっしゃるかもしれませんが、こう考えると、わかりやすいかもしれません。
私たちは人間です。人間とは?と解説したものはたくさんありますが、そこで共通なのは、ヒトは社会的存在だということです。お母さんのお腹の中にいた時から、母子の間でコミュニケーションをとっていて、そのやり取りは心理的にも身体的にも、重要なやりとりをしながら、初声をあげます。人間は人間に育てられないと育たない存在だということです。
ヒトは動物と共通なものを持っています。確かに動物にも家族があり社会があり集団を持っていますが、人間の社会の場合は、その「関係」の質が育ちそのものに大きな影響を与えるような関係だということが、動物とは異なります。アリストテレスの「人間は社会的(ポリス的)動物である」という有名な言葉がありますが、それです。
その集団の在り方が、子どもの成長にとってはとても大切だということは、言い方を変えると、人間関係が育ちに大きな影響をもつ、ということになります。そこで、今年の成長展は人間関係をテーマにしました。つまりコミュニケーションです。この人との間に心を通わせる、気持ちをやりとりする、その様子から育ちの姿を動画でご覧ください。
この人間関係の発達がどんな状況で行われるのか、と考えるために「環境」を捉えることが保育になります。この環境には大きく分けると自然環境と人工的環境があるのですが、人工的環境というのは、人間が作り出す物やことは全てこの環境のことです。ですから言葉も表現もここに含まれるのです。教育の5領域というのは、健康に人間関係が育つことなのですが、それを捉えるのは環境との関係で考えましょう、ということです。そして環境の中でも、人間だけが獲得した表象としての言葉と、言葉以外でも表すことができる表現に注目しましょう、ということになっているのです。
人間の心身の育ちは、健康であることは必須条件のようなものであり、人との関わりの中で育つ社会的存在ですから、子ども同士の中で使われる関わる力、言葉の力、表現の力を見ていくことにしましょう。関わる力は動画でじっくりご覧ください。そして言葉はシルエットを使った物語の想像力を通して、そしてぬりえ、自由画、人物画でどのように変化してきたかを感じとってみてください。