(園だより3月号 巻頭言より)
今年度も最後の1ヶ月となりました。新型コロナの第6波の最中で迎えることになった年度末。この1年を振り返ると、どうしても「コロナ禍」を無視するわけにはいかない年だった気がします。コロナ禍はいろんなところに影響を与えました。保護者の皆さんもご家庭や職場でも、苦労の絶えない状況が続いていたことと思います。今でもその状況はあまり変わりませんが、幸いなことに、これまで当園では子どもの陽性が1名に留まり、濃厚接触者もいないで、今日に至っています。これからも新しい変異株が登場して同じような対応が続くと思われますが、気持ちは明るく持って、楽しい生活を維持し守っていきたいと思います。
さて、3月は年長のすいすい組の卒園式があったり、お別れ遠足に行ったりします。コロナ禍の状況が許せば、4月の就学前に小学校や学童へ訪問したいと考えています。子どもは友達作りの名人です。すぐに仲良く遊び始めます。お友達のことは、あまり気にし過ぎない方がいいでしょう。それに加えて保育園では兄弟姉妹のように生活してきたので、小学校も学童も2年生によく知っているお兄さん、お姉さんが待っています。その話を小学校の先生とすると「それは安心ですね」と言われます。
一方、保育園での進級はすでにいろいろな形で移行を進めてきました。一つ上のクラスへ行って遊んだりしてきたので、たとえば、1階で過ごしているぐんぐん(1歳児)の子どもに「今日はにこにこさん(2歳児)で遊ぶよ〜」と声をかけると、さっとその気になって、やる気満々の姿を見せてくれます。にこにこさんも、3階のわいらんすいへ行って、いろんなゾーン遊びにはまっています。どれの遊びも新鮮なようで、正しい遊び方を学ぶと楽しい!という体験になるように気をつけています。本来、いい遊びというものは、一通りの遊びしかできない素材・資源ではなく、創意工夫によって、いろいろな遊びや活動になるものが「豊かな遊具である」というテーゼがあるのですが、当園のゾーンには絵本や運動、テーブルゲームのようにある程度、使い方や遊び方が限定されているものから、制作や積み木、ごっこのように、遊び方そのものにバリエーションが豊かなものがあります。
遊びの移行に始まって、食事の場所や配膳も次のクラスに慣れ、お昼寝も新しい場所で慣れるように進めていきます。遊び、食事、睡眠、と生活の3大要素を丁寧に移行しながら、それに慣れて4月を迎えるように進めていきます。4月に新しいお友達がやってきて仲良くなるには「こうやって遊ぶと楽しいんだよ」と教えてあげることで、新入園児ともスムーズな生活が始まります。担任も3月下旬に発表しますが、必ず知っている先生がいるようにします。小学校も進級するクラスも、子ども自身が楽しい生活を見通して期待し、わくわくした気持ちで4月が迎えられるように、整えていきたいと思います。