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園長の日記

29個目の屋上体験

2022/03/30

あと2日。卒園する年長さんの保育園生活も今日と明日を残すのみとなりました。

赤ちゃんの頃から、子どもの生活というものは、ありとあらゆるものが、大きな玩具箱のように取り入れられていくことで成り立っています。あれをやっていたかと思うと、今度はこれ。それが済んだかと思うとまた別のあれ。次から次へと、あれもこれも、やってみたいことだらけ。ちょっとやってみてはポイ、あれ?なんだ?ふ〜ん(スルー)、あ、そっちがいい!目の前にやってくる事象に対して、その子なりに、えり分けて、自分に引き寄せたり、手放したりしながら、これは!というものを自分の「おもちゃ箱」に取り入れていくようにしながら、時間を過ごしています。

年長さんぐらいになると、その「おもちゃ箱」の中から、これは!という選りすぐりのものを、自分のパーソナリティの傾向、つまり自分らしさに従って、振り返ってみて、今なお、ときめくものだけをピックアップできるようです。いらなくなったもの、取るに足らないもの、忘れられたものは「おもちゃ箱」の中から消えていくのです。屋上でやったことが28個も蘇ってきたのは、それが今の子どもたちの記憶に残っている体験だ、ということになります。(わらすのブログをご覧ください)

この思い出、つまり思い出せる体験というものは、それが30個だとするなら、発達に必要だった体験がその1千倍も1万倍もあるものなので、まさに氷山の一角です。その埋もれた部分、隠れた部分の体験があってこそ、その約30個の体験が輝くのです。その輝きは、彼らの希望、意志、目的を表しています。自分と他者を信じることができる自信に満ち溢れ、身についたことが意識しないでも自動的にできることがいっぱいで、そして自発的に物事に臨む姿勢が身についている、そうした輝きなのです。

今日は、やり残したことがないようにと、計画してもコロナでできなかった散歩先、御徒町公園を楽しんできたすいすい組。明日は、どんな体験が待っているか、最後の最後までワクワクです。

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