今日は午後から千代田区の「就学前プログラム策定委員会」がありました。昨年度から始まった検討会ですが今日で5回目です。昨年度までの議事内容を踏まえて、今回は千代田区が育成を目指す子どもの姿について話し合いました。子ども部長も子ども支援課長も変わり、新しい事務局態勢のもとでの再スタートとなりました。
私たちが今世紀までに到達している教育学の中で、ずっと変わらない考え方の一つが目的論的教育学です。教育である限り、目指す目的を定めてその手段を考えるという、目標準拠型のアプローチは変わることがないようです。私は公的な教育機関が、全ての子どもに対して同じ教育目標のもとに教育していいという合意を、どうやって取っているのか大いに疑問なのですが、なぜかというと、そこに少なくとも市民(区民)が参加すべきだと考えるからです。
さらにいうと、子ども本人の意思というものをどのように反映させることができるのか(できないだろうことはわかっていても、理念形としてはそうあるべきだということなのですが)、それも大切な視点だと思います。子どもの主体性を尊重する保育を考えるとき、子どもの参画が欠かせません。それは先日の藤森平司理事長の講演会でも触れられたものです。
策定委員会では、私は目指す子ども像を考えるときの観点を述べました。一つは現行の指針や要領が大切だとしていることを踏まえたものにすることと、これからの時代の変化を見据えたものにすること、その2点を強調しました。中でも、最初のことの中には、自尊感情、自己制御(実行機能)、忍耐力などの非認知的スキルが含まれまれます。しかも、それらは人間関係の中で培われることが多いことや、好奇心や探究心が引き出される環境、教材の質が問われることを述べました。