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園長の日記

社会情動的スキル③ 「心の根っこ」を育てる

2022/04/26

子どもたちの発達を確かなものにするためには「根っこ」を太くすることがともて大事なのですが、抽象的に「根っこ」と唱えても、それが具体的には何をどうしたらいいことなのかがわかりません。

(マスクの使い方のマナーを学ぶ子どもたち)

 

そこで私たちは乳幼児期からの発達課題を押さえることを勉強します。一人ひとりの、そうあってほしい「子どもの姿」を思い描きながら、そうなっていくために必要な体験を計画していくのです。でも一般的な発達課題が、どの子どもにもそのまま当てはまることはなく、個人差である個性を捉える必要があります。今日は、そこに焦点を当てた話し合いをしました。先生たちから子どもがどのように見えているか、その子どもの特徴は何か、そこから見えてくる配慮や保育のポイントは何か、という話し合いです。

その時に大事にしている視点は、心理学で言うとパーソナリティ、日本語では人格特性というものですが、そこには誰でも凸凹があって、その「デコとボコ」のボコの由来を捉えるようにします。一般に私たちの人格特性は、持って生まれてきた生得的な部分と、生まれた後で経験することから育つ部分との合作です。二つの要素が相互作用して、影響しあって形作られています。その二つをきれいに分離することはできなくて、それは四角形の底辺と高さみたいなものなので、その面積のうちどこまでが生得的なもので、どこまでが経験的なものかはわかりません。それでも教育によって面積は大きくできるのです。

しかも「根っこ」はその図形が台形だとしたら、底辺をしっかり大きくして安定した形にしてあげる必要があると言うことになります。底辺をしっかり広くすると、その上にたくさんのものを載せることができます。底辺が短いと、その上に多くのものは乗らず、いつかバランスを崩して倒れてしまいます。そんなイメージです。

発達課題としての根っこは基本的信頼感、自己への自信、揺るぎない情緒の安定感などが挙げられます。大好きな人(親や先生など)から認めてもらえているという安心感、そうしたものに包まれながら、不安感のない屈託のない笑顔が湧き出てきて、わがままぐらいな自己主張ができ、「今日はこんなことしたんだよ」と毎日を楽しそうに振り返り、「明日はこうしたいんだ」と言う期待や希望をもち、安心と満足の中で夜眠りにつき、朝元気に目が覚める。赤ちゃんなら自分の手や足を自分で触ってたしかめて伸び伸びと遊び(ちっちのブログ)、五感を使って感触を楽しみ、相手と気持ちを通わせることを好むような3つの関わり(身体・精神・社会)を体験していきます。

幼児になっても、赤ちゃんの頃に親しんだ世界との関わり方は、何度も繰り返し必要となります。大人に心の余裕があるときは、ちょっとそうした温もりのある心で子どもの心を包み込んであげましょう。それが根っこを太くしていくことになるでしょう。

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