保育園の生活で特徴的なことの一つに「季節」に敏感になるということがあります。保育のねらいや内容の中にも「季節により自然や人間の生活に変化のあることに気付く」(環境の「内容」③)というものがあるのですが、都会の中で生活していると、意外と気づかないままに過ごしてしまいがちです。ちょうど今日、北海道を除く全国が梅雨に入り終えましたが、他の季節はそんなにはっきりと「いつから」ということは分かりません。いつの間にか春がきて、いつの間にか秋になっていたという感じです。ところが季節の変化にもっとも敏感なのは、草花や植物や動物たちで、人間がもっとも鈍感になっているのではないでしょうか。
保育園にいると、意外なものが季節を告げてくれます。春の訪れは「アゲハ」の卵の発見で始まり、夏の訪れは「カブトムシ」が土の中から這い出てきて、知らせてくれました。これは子どもたちにとって幸せな季節の出会い方かもしれません。私も今年初めてだったのが「スズムシ」の誕生です。鈴虫といえば秋のイメージだと思いますが、虫を売っているお店の方に「鈴虫は夏の虫なんですよ」と教えてもらったことがあります。とても意外でしたが、こうやってこの時期に卵から産まれて、だんだん秋に向けて大きくなっていくわけですね。今年はその成長の様子を観察することができます。メダカもある温度にならないと卵を産みませんから季節は暖かくなったことを教えてくれているのでしょう。
屋上の菜園には、きゅうりの花が咲いています。これも夏野菜ですから、もうこの時期から夏が始まっていると言えます。
屋上のバケツの田んぼには、田植えがすんだ稲も、しっかりと土に根をはり、緑が鮮やかに輝いています。
柳原通りの紫陽花は5月から咲いていました。
梅雨のイメージが強いですが、意外と1ヶ月ほど早いんですよね。子どもがうたう歌も5月の「こいのぼり」から「かたつむり」や「あめのこくまさん」に変わってきています。
私の家の近所の軒下では、ツバメが巣を作り始めています。ほぼ完成したのでもうすぐ卵を温め始めることでしょう。
給食には春にイチゴがよく出ていましたが、今はスイカです。旬の食べ物も季節を教えてくれます。また来週になると七夕に備えて、笹を取りに行く計画をしています。日本の伝統行事は季節の変化と切り離せません。夏には子どもたちに日本らしい「涼の取り方」を体験してもらいます。エアコンは欠かせないものとなりましたが、打ち水や風鈴といった風物詩も忘れたくないものです。