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園長の日記

信頼と対話を促す場のデザインとは

2022/08/17

保育の質を考えることは、人間の成長の時間を遡っていくことになります。源流はどこだ?起点はどこだ?と、遡っていくことが、発達を考えるときのパターンの一つです。だから乳幼児時期を、世界の発達研究者たちは見つめてきました。人が人を信頼する力や、人と人が対話をする力の原点はどこにあるんだろうと考えてみると、やはり、他の発達課題と同じように乳幼児期に遡って行くしかないのでしょうか? 信頼と対話という、人と人をつなぐ絆について考えるときも、同じような筋道を見つけようとすることになります。

ところが、川上に向かって遡っていくと、大抵は枝分かれした支流にいくつも出遇うことになり、一つひとつの支流がまた分岐して枝分かれして、まるで茎から地下深く伸びて広がる「根」のような構造になっていることに気づきます。どこが本流で支流かもわかりません。リゾーム状に広がるネットワークの中で、どのように信頼の芽がふき出し、そして相手と向かい合うことのできる対話を作り出せるようになるのか、人間関係の発達の姿を描き出し、その起点を見出す探求に限りはありません。

個人の発達の問題に還元するのではなくて、人と人の関係そのものがどのように変化したり発達したりしていくのか、それを考えるのが面白いのですが、この夏、あることに気づきました。それは映画「こどもかいぎ」の上映や、最近保育園で流行っている「サークルタイム」や「一円対話」が、関係の発達を促す有力な人的環境の一つになりうるだろうということです。しかも、そこにはよりよい関係のデザインがあるはずです。では、それはどんなものなのでしょう?

 

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