話は昨日の続きです。GTサミットで取り上げたれたテーマ、これからの教育や保育のビジョンについてです。
政府が目指そうとしている「学び」の特徴を一言で表すと、もっともわかりやすいのは「個別最適な学び」と「協働的学び」の実現、ということなのですが、実際にやろうとするととても難しい。その障害となるものは、先生の数だったり、教科カリキュラムの枠だったりします。学校の現実をちょっとでもご存知の方なら、児童生徒の興味や関心に合わせて、あるいは子どもの発達に合わせて、個別に対応することなんて、いろいろなことをクリアしないと難しい、ということはすぐにわかります。
それでも政府がやろうと旗を振るのなら、それに見合った環境を用意していくことが当然、必要になります。この環境を準備することは、意識の問題と条件整備の問題が両方ありますが、条件整備が整わないことを言い訳にして「できない」ことだけを主張しても、子どもたちの現状は少しも変わらないことになってしまうので、できる範囲で少しでも実践に移したいものです。
その実践の積み重ねの中で、工夫すればできそうだというものを、空間、物、人の環境に整理して、順番に実践のアプローチを作り上げたものが、保育関係者の間から「藤森メソッド」「見守るアプローチ」と呼ばれるようになってきた方法になります。当園が実際に行っていることがこれです。この実践を集めて報告し合う全国大会が、来年1月下旬ごろに鹿児島で開くことが決まりました。
GTサミットの二日目今週の23日(火)でも、その実践の具体的な事例が、全国の仲間から「リレー討論」という形で報告されました。全国大会の会場となる鹿児島からの報告、藤森メソッドの海外での広がりの報告を始め、京都や熊本、茨城や東京から、各地の状況や保育実践の一端が紹介されました。コロナ禍での保育、安全な食育の試み、保育理念の再構築、STEM保育なども報告されました。私たち保育者にとっての「協働的学び」の時間です。
このような実践を確認しあっていくと、私たちギビングツリーの仲間が大切にしていることが浮かび上がってきます。それは、園運営の率先性です。子どもたち、保護者の皆さん、地域のために、やれることは実践してみよう!という果敢なチャレンジ精神に溢れていることです。この体験はリアルな出会いが持つパワーであることを確認できました。ズームやオンラインだけでは、どうしても限界があります。直接会って話し合うこと。対話の中で信頼と意欲を確認し合うこと。大事なことだな、と思いました。