昨日から始まって、今日6日(火)で二日目となる研修会「保育環境セミナー」で、藤森平司代表の基調講演と二園の実践発表を聞くことができました。研修会は保育環境研究所(藤森代表)が主催しているもので、今回で56回目。新宿・高田馬場のセミナー会場に約100名、オンラインでの参加者が約300名に上りました。保育について自主的に学び合う研修会に、全国各地から、これだけの参加があるのは珍しく、保育団体や自治体が主催する数ある研修会よりも活気があり、実践のレベルも高いものです。
今日の基調講演のポイントは「子ども同士」「子どもの共同性」をいかに育くむか。<見守る>ことの意味を解説した保育雑誌の特集号の説明(イラストと解説文)を題材にしながら、私たちが追究すべき保育との違いが明瞭になるものでした。雑誌で説明されている保育者の働きかけは、相手が「複数の子どもたち」に変わっただけで、一人の子どもに直接保育者が働きかけるものと、何ら変わらないものです。しかし、私たちの<藤森メソッド>は、その働きかけそのものを、子どもたちの中から生み出すものなのです。
その事例に近いものが、今日のわらすのブログで「お片付け」のシーンとして報告されているものに近いと言っていいでしょう。セミナーで報告された事例は、遊びの停滞を克服していく動きが、子ども同士の関わりの中から生まれていく様子を、年度末に開く「成長展」で展示したものでした。乳児の遊びのつながり、2歳児クラスでの積み木遊びの展開、幼児での協働的な製作活動など、どれも子ども集団そのものが、知恵を出し合ったり、助け合ったり、協力しあったりしながら、生活と遊びを豊かにしていく関係性の育ちを確認できるものでした。
そのためのポイントをまとめたものも、提示され、既存の保育団体や学会からは出てこない保育事例と分析になっていました。OECDが世界の代表的な保育として紹介している5つの保育カリキュラムがあるのですが、それにもまだない、共同性を育む見守るアプローチの提案になっています。
実践報告は、熊本から「ステム保育」の充実した環境と実践の事例が、また長野からは「絵本をめぐる多様な活動」が報告され、いずれも海外で提案しても絶賛されそうな内容です。私たちは、このような保育事例を参考にしながら、保育を高めていける仲間を持っていることに感謝です。保育を学び合うことの楽しさを実感できる研究会です。