■ルールは守ればいいことがある
「いいですか、大人になったらね、自動車に乗って自由にいろんな所に行けるんだよ。でもね、守らないといけないことがあるんだけど、それはなんだと思う?これをちゃんと守れば、自動車で行きたい所に行くことができるんだけど」
こんな話を昔、子どもたちにしたことがあります。
「それはね、信号を守ることです。青信号は進め、赤信号は止まれ、だよね」
子供たちは、うんうんと納得します。交通安全指導の話ではありません。ルールを守れば、やりたいことが実現すると言うことを伝えるための話です。やりたいことをやるには、お友達のやりたいこともできるようにする必要があります。そのためにルールというものがあることをわかってほしいからです。ルールはどこからか勝手にできるものではなく、それを守ることで良いことがあると言う経験が必要です。
■「ルールは守ればいいことがある」が嘘にならないように
この話を思い出したのは、信号を守らない交通事故が後を絶たないからです。子どもに「青信号は進め」とだけ教えるとはできません。昔から「青信号でも、本当に車が来ていないか、右左をよく見てから渡ろう」でしたが、今はその切実さが違います。
さらには、赤信号だからと歩道で待っていても、事故に遭うとしたら、どうしたらいいのでしょう。柳原通り全てとはいいませんが、せめて園のまえや、車が侵入してくる交差点のそばにはガードレールを付けて欲しい。ヒューマンエラーのリスク削減の原則は、意識改善ではたりず、物理的な改善が必要だからです。
交通事故で子どもや親が巻き込まれて死亡する事案が相次いだことから、東京都が危険箇所の再点検に乗り出しました。そこで、警察署と千代田区に保育園から改めて要望書を出すことにしました。「ルールを守ればいいことがある」と教えられることが、続きますように。