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園長の日記

「資質・能力」をかみくだいた言葉

2023/04/18

私たちが普段日常的に使っている言葉遣いと、保育で使われている言葉遣いとの間にある開きを埋めるために、一種の日本語から日本語への翻訳に似たことが必要だなあと感じる時があります。その行ったり来たりに慣れる意味でも、専門用語のいわば「意訳」を使って、正装から普段着に、あるいは反対にカジュアルからフォーマルに着替えます。

(その「意訳」でいいんだ、と納得するためには、別の専門的な理解が必要になるのですが、私はどうしてそれでいいんだろう?とわからなくなることの方が多いので、できるだけ調べて「なるほど」と思えるところまで辿り着くようにしています。それでもまた新しい「?」が生まれるのですが)

例えば、子どもたちの姿を語るとき「資質・能力」の言葉遣いを取り入れる必要があります。知識・技術は「気づくこと、できること」ですし、思考力・判断力・表現力等は「考え、試し、工夫し、表現すること」ですし、学びに向かう力・人間性等は「おもしろく感じ、興味を持ったものにかかわろうとして、挑戦し粘り強く取り組み、また人と協力して一つのことを実現しようとすること」といった風に。

これに似た、近い言葉を連想しながら、それを用いてねらいなどを考えたり、振り返ったりします。保育にも国語力が必要です。

その具体例を今日18日(火)の乳児クラス(0〜1歳)のグログから見てみましょう。次のように書かれています。

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今日はお部屋チームとお散歩チームに分かれて過ごした ちぐん組です。(クラス単位、というよりも、子どもの様子や活動の内容など、一人ひとりの発達や体調などに合わせて過ごしています。)

お部屋チームは、テラスですこし外気浴をしました。はやくお外に出たいよ〜と、やる気満々です。
しゃぼん玉をふくと、追いかけてみたり、目で追ったり

 

ぐんぐん組のRちゃんも、まだ大人にくっつきたくなる瞬間もあるけれど、安心するとまた活発に動き始め、少しずつ笑顔も見せてくれました♪

ちっちのHくんは、マットの坂道の上り下りが得意技…!

下り坂のときは、ちゃんと後ろ向きに身体を回転させて、安全な下り方を知っているようです。色んな運動遊びを繰り返すうち、自分の身体の使い方や、”このくらいだったらできそう”というような自分自身の力の見通しも、だんだん分かってくるのでしょうか。

お部屋でもいろんな遊びを見つけます。

棚の影から「いないいない…ばっ!」

この笑顔にやられてしまいますね。

↑感触あそびゾーン。

↑Rちゃんは、ふわふわの上がお気に入りみたいです。

お昼ごはん。

Mちゃん、先生のひざの上は安心するみたいです。

U先生が歌ってくれる『ぐーちょきぱーでなにつくろう』の歌に合わせて、Mちゃんもちょこっと手をグー✊とパー✋にして動かしていました!

これは Kくんも、お気に入りソングです♪

一人ひとりのペースで、少しずつ保育園に慣れていけたらと思います。

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さて、いかがでしょうか?

こんな風に描写されている「子どもの姿」について、私たちは「乳児の3つの関わりの視点」や、先ほどの「資質・能力」の視点で振り返ることになります。自分自身の体の使い方がわかってくるというあたりは、乳児のかかわりの視点の中の「自分とのかかわり」がよくわかります。これが五領域、あるいは10の姿で見ることにつながっていきます。また養護と教育の一体的な関係も、特に養護の「情緒の安定」は「大人にくっつきたくなる瞬間もあるけれど、安心するとまた活発に動き始め」とか「先生のひざの上は安心するみたいです」といったあたり見られます。

このように保育の言葉を使って、子どもの姿に重ね合わせていくことで、私たちがこんな風に育ってほしいなと思っている姿が、乳幼児教育のねらいにあっている、間違いない、という確認にもなり、新しい具体的な活動を話し合って作り出していく計画に結びつくことになります。

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