4月に入園した赤ちゃん(12ヶ月)が、座って小さな穴の空いたボックスに、チェーンリングを入れて遊んでいます。その様子を担任が克明にブログで描いています。
<・・・チェーンリングのはじっこの方をそっとつまんだり(手指の使い方)、チェーンが揺れすぎないようにそっと持ち上げたり(力加減)、チェーンリングの端が穴の中にうまく入っていくように持ち上げたり(距離感などの感覚)…少し思い浮かべるだけでも色んな要素が必要になってくる遊びだと思います。・・・>
<・・・少しずつ、そうした手先の遊びが楽しくなってきて、様々な感覚を遊びの中でたくさん体験しながら 研ぎ澄ましている頃なのでしょうか。・・・>
<このチェーンリングの長さも、ボックスに開けてある穴のサイズも、難しすぎず、簡単すぎず、きっと、絶妙にちょうど良いのだろうなぁと思って見ていました。・・・>
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微細運動と一口に言っても、摘んだり、指を広げて物を落としたり、穴に入るように手の動きを調整したり、何気ない遊びでも、色々なことを身につけていきます。それは私たちが幼児教育の中で「資質・能力」と呼んでいる見方を使って説明できます。このような理解を私たちは求められています。
確かに、この遊びの中で赤ちゃんたちは多くのことに気づき、できることがたくさんあり(知識・技能)、じゃあこうしたらどうなるだろうよいう(思考・判断)があり、意図して行っている行動としての(表現)もそこにもみられます。表現というものを、自分の行動の結果をモニターしながら修正してやっていると捉えれば、それは振り返りであり、意図的な表現と言えるわけでしょうから。
担任が描いているように、赤ちゃんがちは楽しい、面白いという感情に溢れていて、何度も繰り返している意欲的な姿がそこにはあり、繰り返しの中でうまくいく結果にであうとそれを喜び、さらに繰り返しています。心情や意欲や態度が育まれていく循環過程をそこにみることができます。
これらのことが一体となって資質・能力が育っているわけですが、それはチェーンリングをボックスるに入れる遊びという体験によって、その物との関わり方や意味に気づき、子どもにとっては微細運動と名付けられた活動の中で使われているさまざまな力が使われて育っていくことになります。環境を通した保育によって、楽しい遊びの中で身につけることが望まれている内容を取り入れていと言えるでしょう。