(ジェスチャーを交えて)こっちとこっちの人数を同じにしようーーー。梅雨の時期は室内での運動を工夫します。3階の運動ゾーンで、久しぶりに綱引きで遊びました。危なくないように綱を輪にして、左右に分かれて引っ張り合うのですが、綱引きやりたい!というから「よし」と、準備が終わると子どもたちはすぐに引っ張り始めます。子どもは大体、そういうものです。
真ん中を私が持ってその要素を見ていると、四方向ぐらいに出鱈目に引き合っています。それだけで楽しそうです。とにかく「綱引きのようなこと」をやりたいのです。ただ力一杯弾きたい! そこで適当に分かれて、よーい、どんで始まると、なかなか勝負がつきません。そこで私が口で「ピッピー、そこまで」と止めて「今の勝負、引き分け」。
でも、もっと面白くするには力が釣り合う方がいいということに気づかせたい。そこで、いったん、綱から手を離させて、左右に別れさせました。その時、算数の始まりが起きました。左右のグループの人数を同じにしようか、と提案したのです。すると、引っ張る面白さから勝負への意識が強まったのか、負けた方のチームの男の子が泣き出します。「あっちが多かった」と、負けた理由は数が違ったからだと、文句をいう子どもが出てきました。
そこで、ちゃんと数を揃えることが始まりました。「こっちは何人いる?」というと、いち、にい、さん・・と数え始めます。「ろく」。じゃあ、こっちは?いち、にい、さん・・・・「なな」。「6人と7人か、こっちが一人足りないね。どうする?」。すると年長のMちゃんが「Yくん入って!」というと、ネットにのぼって「見ていたい」というYくんは「いや」。7人の方の一人が、こっち行く、と反対へ移動したのです。それで同じになると思ったのでしょう。また数え直してみると、7人と6人で「今度はこっちが一人足りないね」となります。
そんなことを繰り返してアイデアに行き詰まると、年長のMさんが1分の砂時計係になっているKくんに「時計をひっくり返したら、すぐこっちだよ」となって、やっと成立。綱引き再開です。白熱した勝負が3回行われました。