赤ちゃんの気持ちがよくわからないことがあります。今日もある子が私を見つけて「ペコリ」と可愛く挨拶して、トコトコと私の方へやってきました。0歳児クラスの1歳4カ月になる男の子です。あっち、というように指をさして、色々と教えてくれるのですが、時々、「え、それどういうこと?」「あっち?あ、そうじゃなくて、こっちか。ん?・・そうじゃないのね。まあ、いいか。よくわかんかなったけど」という感じで、その子の意向、きっとこういうことかなあ、ということに、ついていってあげるようにしているのです。
今日は玄関のところまで何度か歩いていって、外の景色を眺めては、指差して、何か言っています。その度に、私は「ブッブー、自動車だね、ぶ〜んって、早いねえ」などと返してあげるのですが、どうもそういう特定のことじゃなくて、何かしら「あっちの方らしい何か」のようなことを伝えたがっているようにも受け取れます。「ほら、あったじゃない、あれのことだよ」という感じ。外に連れてって!の時は、抱っこ!とせがんで、抱っこされたら「あっち」と外を指差してくれていたので、わかりやすいのですが、今日のはそうではありません。別に外へ連れてって、とかではないようです。
赤ちゃんのこういう感覚というか、頭の中に思い描いているview(ヴュー)、景色や風景のようなものを、身近な人とわかち合いたいというのも立派な意見表明なんでしょうね。それを受け止めて繰り返しているうちに、私にも彼にも、そして関わり方にも、何か心地よい方法が見つかっていくかもしれません。このように、はっきりしないことが、保育に時々起きるのですが、ああかなあ、こうかなあと、子どもたちとやりとりしていることは、それもコミュニケーションとして楽しんでいくようにしています。
子どもなりに、私やその場所に出会うことで、何かを思いついて、それをなんとなくやりたくなった、という感じの指差しなのかもしれません。何か思いついた!瞬間のようにも見えます。それをどうやったら実現できるのかは、まだわからないけど、思わず周りにそのfeeling(フィーリング)を表明してみる。面白くなりそうな予感を感じている感じ。そして周りがそれに反応してくれるから、本人もその気になっていくけど、また別のイメージが喚起されて他のことに置き換わっていってしまう時もあるみたい。うつろいゆく「あれこれ」の中から、また、「そうそう、そうだった!」と思い出しては伝えたくなる好きなものが、少しはっきりしてきて、それを自分に引き寄せようとしていく。それがそのうち「ねえ、見てよ」だったり「あれ、あれ」だったりしていくのかもしれません。