子どもは新しいものが好きなので、大人から見るといつも見えている世界の「正面」よりも、「先端や裏側や異物や意外なもの」に目をつけてきます。もちろん大人だってハッとすることもありますが、子どもが注目するものは「面白い」ものなのでしょう。今日は午前中に幼児20人と一緒に公園で過ごしたのですが、大人なら聞こえないような物からの「呼びかけ」が子どもたちには聞こえるようです。
大型のアスレティック遊具やブランコ、砂場などもあるので、もちろんそれで遊んだり、広い原っぱでかっけっこや鬼ごっこ、かくれんぼもやったりします。私が鬼のタガメになって逃げ回るおたまじゃくしたちを追い回すというひと時もありました。それはそれで楽しいのですが、こんな姿もたくさんありました。
「こっち」と私の手を強く弾くので、引っ張られていくと、歩道の欄干を歩きながら手でなぞり始めます。地面の上を枝を手にして車のワイパーのように左右に動かしているので、なんだろうと思ったら、地面の上を履くようにすると現れてくる小さな石。それを拾ってポケットに詰め込んでいます。
何かの葉っぱを口につけて「ピー」と音を鳴らしたり、花壇の縁を上手に落ちないように渡って歩いたりしています。丸太を模したベンチは飛び石の遊びになり、根本から別れた樹木の枝は木登りに使われています。
アリを見つけてはそれを追いながら、自分の持っている枝に登らせようとしている子もいます。手にした紙コップには、枯葉と何かの幼虫が入っていました。数人の女の子が輪になって座り込んでいるのでなんだろうと思うと、公園の水道メーターの蓋を開けてその中にいるダンゴムシを捕まえては、また元に戻してあげたりしています。
子どもたちは、大人がここで遊んでほしいとデザインした物や空間ではないところも、自由に関わりを求め、探索をしたり、それらの世界に出あおうとしているようです。
(ここで紹介したような写真があまりなくてすみません。写真を撮るのを忘れてしまうぐらい、めだたない遊びなんですよね)