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園長の日記

子どもの姿に自らを映し出す瞬間

2024/05/13

「いえいえ、そんな。それほどのことはありません」。

私たちはよく、感心されたり、参考になります、みたいなことを言われると、かえって恥ずかしくなって、それほどの事はないと謙遜することがあります。相手や状況にもよりますが、持ち上げられると居心地が悪いという感覚、ありますよね。もしかすると日本独特のものなのでしょうか? いいことなら素直にありがとうと、受け止めてしまえばいいのかもしれませんが、謙(へりくだ)るという人との関係のとり方が、お互いを尊重しあっている関係を表しているように思えます。世代の違いをずいぶん感じるようにもなりましたが笑。

自分のやっていることを真似されても、同じように、ちょっと我を振り返るという気持ちになることもありますよね。そういうことなら、ちゃんとしなくちゃ、と大袈裟にいうと「身が引き締まるような思い」といったことです。そういう風に感じることって、どんな相手とどのように出会うことなのでしょうか?

昨日の1歳児クラスのエピソードをご紹介します。

Sくんが絵本を持っていると、Hくんが足を伸ばして”とんとん”と自分の足を叩いて『おいで』と誘っていました。

Sくんもちょこんと座って、絵本を差し出します。 Hくんの気持ちを汲み取って、絵本をわたしてくれました。
山手線をゆびさして手拍子! 『ま〜るいみどりのやまのてせん♪』とまるで歌っているようですね^^
互いに気になる電車を指差して、なにやらお話ししています。
おわると2冊目『がたんごとん』を持ってきました。再び『どうぞ〜』と膝を叩いて誘うHくん。
またちょこんとおじゃまして、最後までページをめくりながら2人で読んでいました^^ 最後のページでは「いただきま〜す」を覚えていたのか『あむあむ…』と食べるまねっこまで。かわいいですね♪
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そして、最後に次のような先生のコメントが書かれていました。
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子どもが絵本を持ってきた時、「読む?おいで〜」と膝を叩いて誘う大人の姿を覚えていたのか、自分でさっと足を伸ばして、上手にSくんを誘っていたはるきくんでした。そんなHくんの誘いを快く受け入れ、”いっしょによもう”と絵本を渡してくれるSくん。お互いを信頼しているのだな〜と感じられる場面で、とても癒されました。 大人との関わりが子どもに伝わって行く様子をみて身が引き締まる思いです。笑
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当園のエピソードは、子どもと大人の関係を大人が描いたものよりも、子ども同士のかかわりを取り上げるものが圧倒的に多いのですが、そこでも大人の影響を感じ、このように受け止めているということがよくわかります。
こう言うと、とても当たり前かもしれませんが、いかに大人がプロセスに織り込まれているのかを意識していくことになります。自分の影響を子どもに気づくこと。子どもが大人の鏡になっていることに気づくこと。
別に一般化したいのではなくて、個々の姿の中にその具体例を見つけて、それを分かち合い味わいたいし、一方で主観的であってもその個人的な意味をとりあえず言葉にしておきたい。そこを足がかりにして、共有して広げたり深めたりしたい。そういう役割がありそうだと思うからです。
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