メダカは3段階のギアをもっていそう。低速で漂う感じのユラユラ。その軌道は曲線やモジャモジャの毛糸のよう。ときどき高速でスーイ、スーイ。こちらは直線。ツーッと糸をひく感じ。さらに、なにか危険を感じたようなときの目にも止まらぬ速さ。一瞬で「どこへいった?」と、パッと消えてしまう。
メダカの赤ちゃんをみていたら、だんだん自分がメダカになったようなら気がしてきました。水面と底と水草の中とを、そこにそうやっていることが、まだ赤ちゃんだから未熟であるとか、大きくなったらもっと熟達するだろうとか、そういうことではなくて、すでにそうなっているようになっているという感じ。
(写真が2匹に見えるのは水面に写っているから)
毎年、この時期にメダカの稚魚と卵を送ってくださる方がいらして、子どもたちのメダカの観察が始まっているのです。
今年は流水はやめて、ただの水草だけにしてあげています。どうも流水があると、それに逆らって泳ぐので疲れてエネルギーが足りなくなって息絶えてしまうらしいのです。
そう考えると川の流れないたまり場のようなところでメダカは生まれて育っていくのですね。
それにしても、こんな小さなからだにも実に不思議ないのちが、絶妙な環境の平衡のゆらぎの中で生きているのですね。