さあ、今年が幕を開けました。ありがたくも、まるで新しい「時間」が生まれたかのようです。だからこそ「生きていてよかった」と思えるような、素敵な何かと出会いましょう。それがたとえ一瞬であっても、またちょっとでも命を明るくするような何かに。
ある人たちの面影をたどりながら、その時代やこれからことを思い浮かべたりします。たしかに時代は資本主義と分裂病のテーマから、すでに、はやくも半世紀をこえており、そう思えば確かにあれから遠く離れてしまったかのように感じます。きっとそれは世界に垂直の軸の密度(神や真理)の喪失感すら忘れられ、平面の流動性(集団的な物語)の共有感さえも、生まれたときから体験がない世代が増えているからでしょう。
それでも、世界は動きを止めることはありません。いったい、どこへ向かうのでしょうか。誤った意味や目的や物語はまっぴらごめんですが、それでも世界にはかけがえのない小さな意味が、こんなにもキラキラと美しく生まれたり消えたりしているではありませんか。そこを発見したり、手繰り寄せたり、たまには一緒に喝采を送りたい。
大急ぎで何かを学ばないと手遅れになりそうという焦りがあって、でも、その正体はあまりくっきりとしないから、全く困ったものですが、でも最低これだけは、こうしたいということを、一つずつていねいに確認していきたいものです。