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園長の日記

第2回 園長のコーヒータイム

2019/11/15

◆コービー豆を挽きながら

にこにこ組のお父さんやお母さんが、お迎えにきて「あ、今日はコーヒータイムですね。いい香り!」「そうか、今日だったんですね。15日でしたね」と言葉を交わしながら、「本当はもっとゆっくりできる時間と場所があればなあ。それこそ保育園の中に、喫茶店でもあれば、カウンター越しに、好きな時間に好きなだけ、いろいろ話が出来るのになあ」などと思いながら、ハワイコナを淹れていました。

今日の報告の前に、その部屋の準備をしているときにも、可愛らしいお手伝いがありました。らんらんさんとにこにこさんが、豆を挽くのを手伝ってくれました。こういうことをするのが好きなのかが、好奇心いっぱいの子どもらしい子どもですね。私が好きなキュリアス・ジョージ(好奇心いっぱいのジョージ、おさるのジョージ)です。

◆今回はストレス解消法、でもその本質は?という話

さて、今日はお約束の絵本「にんげんさまへ」を読んだ後で、私が用意した動画を見てもらいました。不覚にも私は声が出ない状態だったので、「マイクを使ったひそひそ話」という、なんとも申し訳ない、不思議な状態での進行となりました。

今回のテーマは「ストレス解消法」です。この動画を選んだのは子育てにおけるストレスがどこからくるのかを、科学的、客観的に知っておくことで、子どもへの接し方が変わるかもしれないし、内容が人類史を踏まえた研究の知見だったからです。

◆科学の知見で「ママのストレスを理解する」

2016年2月放送のNHKスペシャルの「ママたちが緊急事態!?〜最新科学で迫るニッポンの子育て」です。

この番組をコーヒータイムで見てもらおう!と思い立ったのは、今週の研修会でお会いした今福先生の「先生」が明和政子教授だったので、「そういえば明和先生が、今の子育ては人類の危機だと、言っていた番組があった」と、思い出したからです。番組の話を要約すると次のようになります。
◆エストロゲンの激減が孤独感と不安の原因の一つ
<・・・子育て中に母親が「孤立感や困り感」などのストレスを感じるのは、出産を境にエストロゲンというホルモンの分泌が激減することで「孤立や不安を感じる」ことが一因。
「仲間と一緒に子育てしたい」と思うように、出産後はあえて孤立感を感じる体になっている。
◆多産で社会が子育てをする種がホモ・サピエンス
そうなったのは700万年の進化の過程でそうなった。直立二歩行をするようにると骨盤の形が変わり産道が狭くなる。
すると胎児の頭が小さいうちに出産し、その後長い時間をかけて大人に育てる。母親は子どもを毎年産めるようなり、たくさん産んでみんなで育てる共同保育がホモ・サピエンスの子育てだった。
母親だけでは子育てはできない。松沢教授は「人間はそんなことは、できない」という。村中の人が子どもを育てた。そうなるような体に古代からなっている。その特徴の一つがエストロゲンの出産後の激減。
◆夜泣きは胎児の時の夜の目覚めの名残り
一方、長い時間をかけて脳が大きくなる過程では、不可解な現象も起きる。それが夜泣きであり、イヤイヤ期である。夜泣きは、胎児が夜によく起きていた名残り。胎児は起きていると母親の血液から酸素を奪う。だから母親に負担をかけないように夜に目を覚ます。それが夜泣きとなっている。
◆イヤイヤ期の不可解さは長い脳の発達からくる
またイヤイヤ期は古い脳からの欲求を抑制する前頭前野が育つのを待つ必要があり、それは思春期まで続く。
我慢強さを調べるマシュマロテストをしたら、イヤイヤ期の子は4分でお菓子を食べてしまうがイヤイヤ期を過ぎた小学生は5分を待てた。自分から弟におもちゃを貸してあげられるようになるには、そうした自制心が育つことと関係する。
◆思春期以降の育児体験が母性を目覚めさせる経験として必要
子どもを産めは「子育てができ当然」と思うのが、まず誤り。母親になるための準備の経験が実は必要。伝統的は社会では思春期の子どもの周りにはお世話しないといけない子どもがたくさんいた。育児体験は自然とやっていた。しかし今は意図しないと育児の経験がない。大学生の実験では育児体験の前と後では脳に大きな変化が生じている。現代社会は、意図的に青少年に育児体験をさせる必要がある。・・・>
◆オキシトシンのもう一つの働き「攻撃性」
今日はここまででした。
これ以降は、お父さんたちがぜひ、見てぼしいトピックスです。「夫に激イラッ!」。子育てをどうして夫にイライラしてしまうのか。それは愛情ホルモンと言われるオキシトシンは「愛情や絆を邪魔する相手には攻撃性を高める働きもあるから」。
そして、ストレスなく、リラックスできているのは、夫が話を一緒に共感して聞いているとき。
コーヒータイムは、次の目標はこれですね。
私たちは、こんな心や体の仕組みを持っているから、子育てしやすい社会を作りたい。それはやはり、本当の意味で共同保育を社会のものにする必要があるのだと思います。
今回使ったPP資料は次のものです。
今後、園長のミニ講座、保護者懇談会なども開けるといいなあと思っています。
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