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園長の日記

さびしさと安堵と楽しさと

2021/04/05

◆ 淋しくなって、またホッとして・・

今日は月曜日。土日を親子で過ごした後の月曜日は、入園したばかりのちっち組の赤ちゃんにとっては、ちょっと淋しい気持ちになって、泣いてしまうこともあります。それはそうです。そんなに簡単にお母さんやお父さんに代わりにはなりませんよね。きっと日本全国の3万近い保育園で、今日は赤ちゃんにとって、ちょっとした試練の1日だったことでしょう。約90万人いる日本の0歳児のうち、約16%の15万人が保育園に入園したんですから。

でも、お迎えにきたお母さんやお父さん、おばあちゃんの顔を見て、ホッとして笑って、気を取り直してくれて、先生に「ばいばい」してくれました。私たちは「また明日ね」の気持ちなんですが、果たして本人は?どうかしらん?

「先週はママ(パパ)と一緒だったじゃん。なんで、いなくなっちゃうの。金曜日もそうだったよね。あんまり気づかなかったけどさ。保育園って、せっかく楽しそうなところだなあ、って気に入っていたのに。嫌だよ、置いていかないでよ。・・でもまあ、気になっている子もいるから、明日また連れてきてね。いや、別に嫌じゃないのよ、保育園は。でもね、ママがいなくなるのは、やだ! それは別の話だからさ・・ね、お願い」

こんな感じかな? ま、明日また元気にいっぱい遊びましょう。あんまり泣くと、ママも困るから、楽しく遊んでお迎え待とうね。

ぐんぐん組やにこにこ組の様子はどうだったでしょうか。ブログでは、遊んでいる様子や優しく慰めてもらっているやり取りが報告されています。子どもが持っている優しさが、思いやりのある行動となっていくために、こんなにも「心が動かされていく経験」というプロセスが積み重なって、育んでいくんだなあと、感じさせられます。ちっち、ぐんぐん、そしてにこにこへと成長してきた子どもたち。これからが楽しみです。

らんらん組保護者会

2021/04/05

◆らんらん組の保護者会を終えて

らんらん組の正式名称をご存知ですか?と言う質問には、予想通り(!)、ほとんどの保護者の方が「ぽかん?」とされていました。正解は「みんな なかよく らんらん組」です。お友達との仲の良さが、いろんなところで見られるのが年中さんの特徴なんです。そんな話から、子ども同士の関わりが、どのように心を育んでいくのか、という話をさせてもらいました。植物の生長が土壌の栄養と日光と水によって変わるように、人も持って生まれたものが、環境によって大きく変わります。心の発達の過程を踏まえると、満4歳になった子どもたちが、満5歳になっていく1年間は「社会的な心」の成長が著しい時期なのです。

今日お伝えしたことは、人の心の育ちの筋道です。0歳児の基本的信頼感の獲得から始まって、1〜2歳児から始まっている他律ではない自律を経て(基本的生活習慣を身につけていくプロセス)、それと伴奏するように自我の芽生えに伴うイヤイヤ期に見られるような自発性を発揮しながら、お手伝いなどの利他的行動を好む「自立心と協同性」の時代を経て、さらにしっかりとした道徳性や社会性を身につけてくまでの流れを、ごくごく簡単にスケッチしました。この話は、詳しくお伝えしたい子育ての秘訣が含まれる「発達の原理」なので、講演会を開いた方がいいかな、と今日話しながら感じました。詳しく聞きたいという方がいらしたら、いつでもやりますので、担任までお声かけください。

と言うわけで、幼児期の真ん中にある「らんらん」は、まさしく「自立心と協同性」の時代にいます。やってあげることが、楽しい時期に入っていきます。集団のある保育園生活の中で、案外、最ものんびりとできる1年かもしれませんよ。それだけに、何があったんだっけ?と終わってしまいがちな年中さんかもしれないので、見逃さないように、よーく、観察してみましょう。とても面白い成長を見せてくれる一年ですから。

こうした心を耕す体験は、保育園ならではのものです。全ての子どもにこの時代を過ごさせてあげたい。学年別のクラスや学校的空間では、自由遊びの中での子ども同士が織りなす体験は生まれにくいのです。ああ、もったいない。子どもたちもまた自然の一部であり、そこには、その奥深い「子ども社会」が生まれています。もし、そこに大人の指図が過剰に割り込んでしまうと、微妙なバランスで成り立っている自然の生態系が乱されてしまいます。それだけは避けてあげたい。本当にこの時代に必要な体験を保障してあげたい。それは不思議なことに、子ども同士の社会が、自分たちで作り上げていくものなのです。

自己紹介も楽しいものでした。ありがとうございました。お子さんの「よさ」をいっぱい見つけてあげてください。その数だけ、子どもは幸せになるでしょう。親御さんがいいなあ、と思っていることがきっと伸びていくんじゃないでしょうか。まるで新緑の芽が太陽を向くように。いいね、と認めてもらえることが最高の栄養になりながら。一緒にその一つ一つを愛しんでいきしょう。

 

 

保護者アンケートありがとうございます

2021/04/03

3月にお願いした「年度末アンケート」では、たくさんのご返事をいただき、ありがとうございました。千代田せいが保育園が、皆さんにとってどんなものになっているのか、どのように受け止めてくださっているのか、よくわかりました。

私たちが「力を入れているところ」と、保護者のみなさんが「ここが良かった」と思ってくださったところが重なり合うと、嬉しくて込み上げてくるものがあります。書き込んでくださったみなさんの言葉は、私たちの宝です。私たちもやって良かったという気持ちになります。そして皆さんの温かい言葉に感謝です。

言葉にできないことや、もっとこうしてもらえたら、ということもあると思います。それも含めて、アンケート以外でも率直に伝えていただいていることあります。改めて、お互いのことをよく理解し合って、助け合いながら、子育てを楽しいものにしていきたいと思いました。みなさんから頂いた声は近くフィードバックします。素晴らしい年度にしていきたいと思います。よろしくお願いします。

わいわい組保護者会

2021/04/02

◆わいわい組の保護者会

3歳児クラスの「いつも元気なわいわい組」。夕方から保護者会がありました。新わいわいは定員10人に対して8人でのスタートとなりましたが、保護者会には6家庭の参加がありました。最初に私が昨日と今日の食事の様子の写真を見てもらいながら、すっかりと「わいらんすい」の仲間に溶け込んでいることをお伝えしました。また遊びへの集中度の高まりの例として、ごっこ遊びで服のボタンをつけるのに夢中のKKくんの動画を見てもらいました。3歳児クラスは、乳幼児期の前半と後半の境目です。その差をさほど感じさせないほど、スムーズな3歳児クラスのスタートになっています。

保育園では「一人ひとり」を大事にしているので、色々な「個人差」に対応できるようにしているのですが、2歳児クラスまでのそれと、3歳児クラスからのそれとでは、個人差の意味が変わってくることをお伝えしました。2歳児クラスまでの個人差は、どの子も通ってくる発達の差が個人差になるのですが(いつ、おむつが取れるか、いつ心地よく眠ることができるようになるか、など)、3歳児以降の個人差は、物事への興味や関心の差となって現れることが多くなります。

もう一つの特徴は、人間関係の広がりの中で、その体験の幅が広がることです。本格的な異年齢児保育の環境での生活が始まります。このことは、担任が「配膳でお茶をこぼした子へのお手伝い」動画で、関わり方の違いを説明しました。年長になるとこうなる、年中ぐらいだとこうなる、というわかりやすい場面でした。

自己紹介をしていただき、子どもの命名の由来をお聞きできたので、子どもの名前を呼ぶたびに、親御さんのお子さんへの「想い」を思い起こすことができます。心配した「見えない不安」は、3歳児クラスではあまりないようでした。

 

初めて一人になってみて

2021/04/02

◆順調な慣らし保育の2日目

さて、新しく入った子どもたちは、今日から一人で数時間だけ過ごしました。ちっち組は預かった時は誰も泣きませんが、しばらくすると「ママがいない」「パパがいない」ことに気づき、3人の赤ちゃんが不安になって泣きました。ちょうど人見知りがはじまた後ぐらいの時期がそうなりやすいのですが、でもしばらくすると泣き止んで遊んでいます。

すでに見知らぬ人と触れ合い、それを受け入れる体験を経ている子たちは、見学、入園説明会、そして昨日の体験などから、不安がることもなく遊び始めました。ぐんぐん組やにこいこ組の子たちも、遊びに夢中になっていました。とても穏やかな二日目の慣れ保育となりました。

 

ぐんぐん組の二人は、すでに仲良しになっていて、帰る時も一緒に帰りたがったり、そのお友達のお母さんと手を繋ごうとしたり、すでにアロペアレンティングの成立です。とっても順調な滑り出しです。親同士が仲良く心を通わせる関係ができていくと、その人的な温かさに包まれて、子どもの安全基地が広がります。それを踏み台のようにして、またあたらしい世界につながるのですがら、これは素晴らしいことです。

にこにこ組も賑やかな2日目でした。新しく入園した子も楽しそうです。2人には新すいすいと新らんらんにお兄さんとお姉さんがいるので、今日は午前中ずっと一緒に過ごしました。わいわい、らんらん、すいすいは朝の自由遊びに没頭できるように、受け入れの時に家庭生活と園生活がスムーズにつながるように配慮しています。

◆今年は咀嚼を育てるための「こんぶ」や「するめ」が朝のおやつにプラス

ぐんぐんに進級した子たちは、午前のおやつのマレービスケットにプラスされた「するめ」を、美味しそうにしばらくしゃぶってはカミカミして味わっていました。基本的には、しゃぶり尽くして味が無くなったぐらいまで噛んで、おしまいです。まだ小さい子たちは、噛み砕いで飲み込むことはまではしません。にこにこ組も半分以上は、味がしなくなったら「ベー」です。中には小さく噛み砕いて食べてしまうことができる子もいました。

新年度が微笑ましく始まりました

2021/04/01

◆新年度がスタート

さて、ゆっくりと新年度が始まりました。千代田せいが保育園は満2歳の誕生日を迎えました。この春、にこにこ組に進級した子どもたちと同じ年齢を重ねていくことになりますね。

今日は新しく入園した9人のお友だち。どの子も親子一緒に1〜2時間ほどそれぞれの部屋で過ごしました。0歳の「ちいさなちいさなちっち組」で6人が、1歳の「ぐんぐんのびるぐんぐん組」で1人が、2歳児の「いつもわらってにこにこ組」で2人が遊びに夢中になっていました。

遊びが楽しかったのか、帰る時間になると、もっと遊びたいと泣き出す子もいて、素直に感情を表出できる子どもたちの「まっすぐな心」が微笑ましい限りです。

進級した子どもたちの中には、登園したのがほとんど初めてだったり、久しぶりだったりの子もいて、保育園の楽しさを思い出しても会えたら嬉しいです。子どもなりに身に覚えのある感触だったように見えましたが、どうだったでしょうね。

◆慣らし保育(慣れ保育)も始まって

明日から今度はおうちの人はいない中で過ごしてみることになります。きっとおうちの人がいなくなることで、寂しさや不安を感じると思いますが、それは当たり前のことです。むしろそれが自然な発達の姿です。親がそれを恐れすぎてはいけません。私たちからすると、不安に感じて泣いてしまったりしても大丈夫なように、その子の気持ちに寄り添って温かくケアしていきますのでご安心ください。

◆ちっちの保護者会

今日は「ちっち組」の保護者会を開きました。短い時間でしたが、私からは保育園生活の大切なポイントをいくつかお伝えしました。在園されている方はよくご存知だと思いますが、子どもにとっての人的環境の中でも「他の子どもたち」がいるということが、とっても大事だということ、親以外の私たち保育者も社会的な親になる「アロペアレンティング」の大切さについて、そして家庭と保育園の両方を経験しているのは子どもだけだ、ということなどをお伝えしました。

自己紹介では、お気に入りの散歩先を紹介していただきました。「へえ、そんないいところがあるんだ」という情報もいただきましたので、みんなで共有して行きたいと思います。

◆進級した子どもたちは

ところで、進級した子どもたちの様子を見ていると、朝から「今日からすいすいさんなんだ」と、とっても張り切っている子や、妹さんが入園して兄妹で登園できるようになったことが嬉しくて、朝の目覚めも違っていたという子もいました。年長さんがいなくなった寂しさを感じている子もいるでしょうが、それよりも一つ大きくなった立場を子どもなりに自覚しているかのように、率先して動く姿が印象的です。

特に新すいすいさんの意欲的な姿は、とても頼もしく思えました。昼食の時、配膳でお汁をこぼした子に「こっち」と台拭きのある場所まで連れて行ってあげるTHくん。降りて来ない子を迎えに動き出すYHさん。保健室のお手伝いをして褒められたのが嬉しいKSくん。まるで誰かために役立つようなこと、競ってやりたがっているようにさえ見えます。この「利他的な行為」をやりたがる気持ちが、心から湧き出ています。「利己的」の反対が「利他的」です。こんなにも相手の立場を考えることができる力が育っていたんだなあ、と気付かされます。まるで春の芽が萌え出るようです。

年中の新らんらんの子どもたちは、マイペースの生活の中で、遊びを徐々に発展させています。積み木、パズル、制作、ごっこ、運動とそれぞれの遊びがじわじわと深まったり、広がったりしています。年少、年長の目に見えやすい変化に比べて、年中の成長はわかりずらいでしょう。ところが一年の変化は相当大きいものです。そのじわっとした変化の兆しが先ほどの遊びの中で見られます。

「これみて」と言われて撮る写真、「ピース」と「自信」が写ってる。

新わいわいは、びっくりするほど、遊びに熱中しています。ままごとコーナーでKKくんがNYさんにシャツを着せてあげているのですが、前開きのボタンを下から一つずつ留めていくのに3分以上もじっと取り組んでいたのです。その間、ずっと動画を撮りました。この粘り強さは大したものです。昼食の時も、別々のテーブルに座り、わいらんすいの仲間の中に分散して溶け込んでいます。異年齢の兄弟のような関係に自分なりの心地よい場所が見つかっているようです。

新にこにこは、言葉でのやり取りで相互の気持ちを伝え合える場面がぐ〜んと増えていることを感じます。先生たちはみんなに語りかけることはあまりしません。個々の子どもとの対話を大切にします。個々に違う思いと意味があるからこその精神世界だからです。ぐんぐんの時の生活のよさを引き継いでいます。

新ぐんぐんは、友達が好きだなあ、と感じました。朝のおやつはさつまいもだったのですが、美味しくいただいた後の遊びも、絵本、電車、ままごとなど、一緒に遊ぶのが楽しそうです。今日はおうちの方も一緒だったのですが、子ども同士で遊ぶ楽しさが、きっと保育園もホームに変えていくことでしょう。

令和3年度 保育カリキュラム

2021/04/01

令和3年度の保育カリキュラムは次の通りです。

令和3年度 全体的な計画(教育課程含む)(千代田せいが保育園)

重点目標は次の通り

•○ 都市型の保育 → 音環境・プライバシー・交通安全
•○感染症対策・自然災害(水害)対策 → 新型コロナウイルス感染症長期化対策
•○ 園庭の3要素(運動・自然・開放感)→ 地域を園庭として利用する 地域連携
•○ 子どもの発達の連続性(学年で区切らない保育)→ オープン保育
•○ 家庭と園生活の連続性(アロペアレンティング)→ 保育の協働性 信頼と対話
•○ 保護者と共に子どもにとって豊かな生活を創り出す → 身体・睡眠・アート・STEM保育

 

すいすいのタイムカプセル

2021/03/31

卒園するすいすい組にとって、今日31日は「園生活最後の日」。それなので、何か素敵な物語をプレゼントしたいという思いにかられ、ロマンティックな活動にしました。

それは題して「タイムカプセルを作ろう」です。大人になった自分への手紙を書いて、それをタイムカプセルに入れよう、というわけです。すいすいの「歌の合唱」も録音しました。

人類が作った最も大掛かりなタイムカプセルといえば、アメリカが打ち上げたボイジャー探査機でしょう。今も太陽系を離れて宇宙空間を飛び続けています。

このボイジャー計画は、広大な宇宙には地球外生命体がいるだろうという前提に立って、その出会いを求めるプロジェクトです。

地球の知性を証明するために、地球の音楽や言葉や自然音などを録音しレコード盤(ゴールデンレコード)を搭載しており、知的生命体へのメッセージになっています。

その説明をパワーポイントで説明してから「未来の自分への手紙」を書いてもらいました。将来、このタイムカプセルを開けるのは、どんな時で、どんな大人のすいすいさんになっているでしょうか。その時の再会が楽しみです。

◆すいすい組の卒園制作「園歌」の歌詞ケースが完成

卒園式の時、園児から保育園への記念品贈呈で「目録」をいただいていたのですが、その実物が完成しました。園歌「風と光と」の1番の歌詞を、ひらがな一文字ずつを筆でかいたものです。額装したものを園児代表からいただきました。

なんでもしようすいすい組。卒園おめでとう。今度は「ランドセルの1年生」で遊びに来てください。待ってます。

「励まし」より「共感」を、「教育」より「養護」を

2021/03/30

(本日30日に配布した園だより4月号 巻頭言より)

入園、進級おめでとうございます。

最近、スポーツ選手など「自分が頑張っている姿を見てもらうことで、勇気を与えることになれば嬉しいです」という趣旨のコメントをすることが増えました。コロナ禍で「前向きな気持ち」を出してほしいという励ましの気持ちです。ただ併せて、私たちが想像力を持ちたいのは、それを見て「ああ(自分は)ダメだ」と気落ちしてしまう方もいる、という事実です。人はそんなに頑張れないし、うまくやれないし、人が成功する姿が辛いものになる人もいます。がんばっている姿は人ぞれぞれです。「できないし、困っている、失敗した」という話に「自分も同じだ」と救われ、励まされることも多いのです。私も昔、先輩の「私もそうだったんだよ」と、上手くいかなかった話に救われた体験があります。

目的に向かって「晴天を衝く」(NHK大河ドラマ)ような輝かしい姿に接すると、清々しい気持ちになり憧れることもあるでしょう。ところが、誰もが「自分も」と心が動き出すようなものではありません。遠すぎるもの、高すぎるものは「我が事」になりにくい人もいます。何に共感するか、誰からエンパワーされるか、感化されやすい相手も違います。何が違うのでしょうか。何が大事なのでしょうか。

子どもはどうでしょう? 実は子どもはいつも、親の本当の「地の心」に触れたいと思っています。励ましたり、諭したり、指示したりする姿だけを子どもに見せていませんか。それだけだと、子どもの「まっすぐな心」はげんなりしているかもしれません。子どもは励まされたいと思って生きていません。励ましは「(自分は)いつも励まされないといけない自分なんだ」と無意識が学んでしまいます。ちょっとやらせて、できたら褒める。一見正しいように見える子育てですが、努力しないと認められない自分でしかないと感じているかもしれません。それでは本当の自信は育ちません。条件付きの承認は無条件の承認よりも、心に届きません。

本当は気落ちしたり、困ったり、不安だったりする気持ちを「わかってほしい」と共感してもらいたいことが多いものです。もちろん嬉しい気持ちも。「ボクのこと、わかってもらえている」「わたしのこと、知ってくれている」という実感から、子どもは一歩を自ら踏み出すエネルギーが自然と沸き起こるのです。それが心の仕組みです。そこで私は「がんばって」とあまりいいません。言うときは「がんばってるね」です。子どもはいつだって、大人が思う以上に、いつだって、がんばって生きているからです。教育よりも養護が先なのです。

何をもって、その人が自ら一歩踏み出せるようになるか。それは人によって大きく違います。保育の要諦はここにあります。年度の初めは、こんな「初心」を思い起こすことから始まります。

布川先生からの贈り物は鉛筆供養の「北星鉛筆」

2021/03/29

今年度もあと3日。卒園する年長組の「すいすい組」に、この1年間「書」の楽しみを伝えた布川先生からプレゼントがありました。短くなった鉛筆を「供養」してくれるのが四つ木ある「北星鉛筆」です。そこは保育園で集めた5センチ以下の鉛筆5本につき、一本をプレゼントしてくれます。そこの鉛筆を布川先生が持ってきてくれたのです。

鉛筆は人間が発明した偉大な技術製品ですが、小学生になると、毎日お世話になる道具。卒園のいい記念になりました。

(鉛筆供養で検索してみてください。工場見学もできるようで、いつか園児を連れて行ってあげたいものです)

 

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