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園長の日記

梅雨入りを見越した保育計画

2020/06/08

今日8日(月)から、保育園が再開されて2週目に入ります。梅雨入りを目前に控えて、朝会では子どもの様子の把握、保護者の皆さんからの意向把握、先週1週間の「清掃・消毒の継続的実施方法」、そして夏にむけた水分補給の徹底などを確認しました。雨の日が増えることを見込んだ戸外活動の計画を立てています。今週は晴れれば暑くなり、突然に俄雨が振るような夏のような天気になりそうです。

流行ってほしい「農家を助けるお中元」

2020/06/06

休園期間中に出勤していた職員は、弁当を毎日持ってきていました。ステイホームで外食ができない中で、お客さんが来ないで困っていた保育園の近所の飲食店は、テイクアウトを始めたので、時々弁当の代わりにそれを買って近所のお店の応援をすることにしました。昨年から付き合いのあったお店からは、「弁当を始めたのでよかったら使ってください」と、メニューを持ってきてくれるところもありました。

(写真の柳原通りのイタリア料理店は、デリバリーもしてくれます。「こんなのを作って!と、リクエストもOKです。ラザニアとかも作ります。電話下さい。土日はご自宅まで、お持ちしますよ」と。)

 

子育てには「上手な手抜き」がとても重要。必ずやらないといけない食事、掃除、洗濯、ルーティーンになっているものは上手な手抜きが難しくなってしまうもの。人間は無意識にやっているので、正常化バイアスがかかっているので、止めることができないのです。

それって本当に毎日必要? と、ちょっと疑ってみてはどうでしょうか。コロナの影響で掃除や消毒の仕事量が増えているはず。時間は同じですから、どこかを削らないといけないはずだからです。

また、お世話になっている会社からは「旅行者が来なくなり、味覚狩り用の果物が大量に廃棄されている」とも。ああ、もったいない。「農家を助けてください」と保育園に届いた葉書は、さくらんぼ農家でした。

そこで、手土産や贈り物にそのさくらんぼを使うことにしました。この夏は、コロナで困っていることろを助ける「応援お中元」が、流行るといいなぁ。困っている農家を応援できると、いいんですが。

保育園の「田んぼ」で田植え体験

2020/06/05

私の前の園には、小川が流れていて、その出発地点が2畳ほどの田んぼだったのですが、その小川と田んぼを作ってくれたのが神宮司さんです。その時の田んぼは、不耕起栽培といって、耕さない田んぼでした。つまり一年中、水をたたえた水耕栽培で稲を育てていたのです。

実は、昔の日本の田んぼは、そうした不耕起栽培が主流でした。年中、田んぼに水があるので、メダカやタガメ、ザリガニなどが生息していて、カモやサギなど水鳥がいました。そうした耕さない田んぼには、稲作機械が入りません。どうしても手作業になってくるので、時代ととともに、大規模な田んぼで耕運機を入れて耕すために、一旦、水を抜くことが普通になっていきます。それによって田んぼの水中動物は姿を消していき、ついにメダカが絶滅危惧種になっていったのでした。

という前置きが長くなりましたが、今でも不耕起栽培をしている千葉県の藤崎農家からいただいていた稲が、千代田せいが保育園にもやってきました。屋上にあるバケツの稲がそれです。オンライン保育園の間に屋上の菜園で、バケツの田んぼが誕生しました。

都会の真ん中で「土」作り始まる!?

2020/06/04

子どもたちのために保育園の周囲に、できるだけ「自然」を取り戻したいと、事務長の神宮司さんにお願いしたら、なんと本格的な「本物の自然」がやってきました。神宮司さんは根っからの自然派であり、しかも「本格」でありながら、そのエッセンスを、子どもたちの身近なところに実演(再現)してくれます。その数々は後でご紹介するとして、オンライン保育園の活動の中で、まだご紹介していなかったものが「稲作」と「土つくり」です。今日は「土つくり」をご紹介します。

◆3階建ての「おうち」の中に住んでいるのは・・

やってきたものは3階のベランダにあります。この生き物が住んでいる「お家」は3階建てで、1階は「ふかふかのリビング」で2階が「ダイニング」です。3階は今後住民が増えた時のためのスペアエリアです。この生き物は野菜が大好きで、給食で出る野菜くずを与えると、数日のうちに食べてしまいます。そして、1階の「ふかふかしもの」が増えていきます。実は、このふかふかしたものが「土」です。

◆土を作ってくれているものは、・・

さあ、この「土」を作ってくれている生き物はなんだと思いますか?それは・・ミミズです。正確にはイトミミズ。正確には、なんて言っても、あんまり興味がわかないと思いますが(苦笑)、有機物の多い土の中には、たいていミミズがいるのが日本の土壌でした。しかし、そうした土になるまでには、かなり長い時間がいるのです。昨年秋、雨上がりの木場公園で、子どもたちが大きな「ミミズ」を見つけた時は、大騒ぎでしたが、そのミミズ君たちが保育園にやってきたのでした。

◆そっと覗いてみると・・

ミミズは暗い土の中にいるので、光が当たると土の中に潜ってしまいます。そこで、神宮司さんに、そっと「フロア」を持ち上げてもらい、リビングの階をのぞいてみると、います、います。お昼寝の時間に起きていた子たちと、その様子を観察しました。眩しくなって、急に「にょろにょろ」と動き出して土の中に隠れてしまいました。

◆土は生態系の土台である!

ミミズが住んでいる土は、地球の陸上の生態系の基盤です。土の中には色々な微生物が住んでいて、雑草が生えて、何十年すると雑木林ができ、微生物も増えて葉っぱなどを腐葉土に変えてくれます。その間に昆虫なども生息する場所となり、昆虫を食べる小動物が暮らし始め、またそれを捕獲する野ウサギやタヌキなどのいる森になっていきます。そして土の生態系の頂点に大型のイヌワシやタカなどがいたのです。陸上生態系のピラミッドが出来上がっていました。

◆生態系の体験にも・・

しかし、そうした土を土台とした生態系、つまり雑木林や森は都会にはありませんから、その生態系の繋がりを感じることができる一部分を、子どもの身近な生活圏に持ち込みました。毎日食べている食べ物がどこから来るのか。産地を示す「かまぼこ板」が玄関に展示されました。その残菜を、ミミズくんたちが食べて土が生まれます。その土がベランダや屋上で育っている野菜や果物の栄養に使われます。そしてイチゴやスイカ、キュウリやトマト、ナスやゴーヤが育っていきます。私たちが、そうした自然の循環の中で生きていることを、断片的ですが感じておくことで、小学校以降の学びの「根っこ」につながることでしょう。

 

 

つなぐ・つながるプロジェクトがこんな形に・・

2020/06/03

◆休園期間中の「リアル体験」がより豊かな体験になる意味

6月3日(水)のわらすのブログに、屋上菜園での子どもたちの様子が報告されています。オンライン保育園での活動の中で、屋上やベランダや育て始めた野菜が、すくすくと大きく育って、花が咲き、実がなったイチゴの香りを嗅いでいる子どもたちの表情が紹介されています。この子たちの中には、オンライン保育園の「生活のリズム作り」で、毎日のように屋上菜園へ親子で水やりに来ていた子もいて、イチゴがなるまでのプロセスを観察し続けてきました。今日嗅いだイチゴの香りは、育ってきたプロセスをよくみてきた上での感覚ですから、より深い香りがしたはずです。

◆親子フラワープロジェクトが育んでいるもの

3階の生活の中に、花が取り入れられるようになっていく予感がします。写真のような「制作物」がみられるからです。例えば親子で花を選んで、家へ持って帰って、アレンジメントして飾る。そして「キレイだね」と親子で、家族で語り合い、鑑賞する。そうした生活の一コマが、子どもにとっては「心動かされる体験」となり、幼少期の幸せな時間の記憶になっていくかもしれません。大人になって「幸せだったなあ」と実感する思い出は、その多くが間違いなく「親子の心の通い合い」です。ただ親の方は、それを覚えていないことが多いのですが。

保育園が子どものための温泉になる

2020/06/02

今日2日も昨日と同じ数の園児が登園しました。4月に入園したのに休園で保育園に慣れる時間がなかったので、昨日から少しずつの慣れ保育を始めた子もいます。子どもの感性は大人と違います。こんな風に感じているのかなか、きっとこうなのかな、と想像力をフルに働かせて、子どもの心情の機微に触れていくようなセンスが必要です。そこが嫌なのか、そこが楽しいのか、あれ?そっちだったのかと、その心の動きに「ついていくこと」が保育です。子どもの心の動きをたどることなく、それとは無関係に、望ましいことをさせようとしたら、それはすぐに保育ではなくなります。それは大人に謙虚さを求めます。子どもが感じている世界は、その子どもにとってかけがえのない時間なのだと思って一緒にいることが、保育の原点です。その原点を確かめながら、コロナできっと溜まっているに違いない子どもの心の中の澱のようなものを、そっと溶かし出してあげましょう。くつろいだ雰囲気、おおらかな心、澄んだ瞳、若い弾力感のある感性。そうしたものが、今週の子どもたちに必要な心の環境です。大人が温泉に入りたいと感じるようなとき、子どもは子どもの中での楽しい遊びに没頭したいはずです。今週は、保育園は子どもの温泉にならないといけません。

6月1日の再開にあたって

2020/06/01

さて、いよいよ本日6月1日(月)から保育園が再開しました。電車の中も人が戻ってきて、社会も一気に戻ってきた感じです。8人がお休みで43人が登園しています。子どもたちは静かです。落ち着いています。保護者の皆さんも、職場にもどったり、家庭でのテレワークが当分続いたりと様々です。今週の保育の方針は子どもが安心感の中で居心地のいい時間が過ごせるようにすることを大切にします。朝会ではその意味を再確認しました。長い休園の期間は、子どもも親もいろいろなストレスがかかっていたはずで、それがいろんな形で滲み出てくるものです。滲み出てくるためには、心が浸されていく必要があります。何に浸されるのかというと、人の心に浸されるのです。その感触は温かかったり、ひんやりと気持ち良かったり、ほかほかしたり、ヒリヒリしたりするのかもしれません。それでも人の心は人との関係の中で正常な状態を取り戻していくでしょう。人の体が目に見えない空気を必要としているように、子どもには子どもがいるのです。今日、明日、明後日と日々を重ねていくうちに、心と心が触れ合っていく中で、いろんな色合いが溶け出してくることでしょう。どんな様子を見せてくれるようになるか、そっと見守る数日が続きます。

「当面は」はいつまでなのか?

2020/05/30

4月11日から始まった休園が今日30日で終わります。また特別保育と今週からの登園準備保育(慣らし保育)も昨日が最後です。この間、日本と世界で起きたことを、今の時点できちんと振り返っておくことが大事なのですが、コロナ対策の緊急事態は一旦「終わり」かもしれませんが、コロナ生活はまだ「始まったばかり」です。しかも緊急事態がまた来ないとは限らない、というよりも「また来ると思っておきましょう」と、専門家会議は言います。実際に北九州市はまた増え始めていますし、それどころか足元の東京でもじわじわ増えてきました。実はすでに「東京アラート」を出す基準になっていそうですが6月1日(月)から、予定通りに第2ステージに入るそうです。このようなジグザク運転が、当分は続きそうですね。

この「当分」とか「当面」は、いったい、いつまでなのでしょうか。

まず、最も短い「当面」は、2週間。新型コロナの潜伏期間です。感染してから発症までの2週間。2週間前の社会の状態と現在を比較して「今落ちつているね。2週間前は8割自粛できていた。だから当面大丈夫」という判断の仕方、思考方法です。じゃあ、5割自粛でやってみよう、4割でやってみよう、と2週間サイクルで緩めていって・・・という作戦です。いつまでたっても「当面」が付きまといます。

私たちは今年の秋ぐらいまでは、なんとなく治療薬が使える状態になっていそうな気になるのですが、どうでしょうか。ワクチン開発は臨床試験を重ねる必要があるので、どんなに早くても来年だそうです。秋には間に合いそうもないと見られています。そうなると、「当分の間」は1〜2年?

これからの保育について、今週、私たち職員は随分と色々な話し合いをしてきました。今年の行事の見通しは、まだ、全く立てようがありません。そもそも、なぜそれをやるのか? この休園期間中に行事の「ねらい」を再確認する検討をずっとしてきました。

保護者の方に集まっていただく行事は、当面はほとんど「分散化」して複数の日にちでやる方法になります。それとどこまでオンラインの組み合わせができるか? 保育参観の時期や方法は? 夕涼み会はどうするか? 年長さんのお泊まり会は? そもそも10月の運動会で体育館を予約しているが、そのまま借りることができるのか? 一園だけでは、どんな状況になっているのか見通せない中で、複数の方法を用意して臨むことしかないようです。保護者参加の行事については、まだ「?」だらけですが、社会が動き出しながら、その様子を見て考えていくしかなさそうです。

オンライン保育園、終了

2020/05/29

(屋上のイチゴが、季節外れではありながら、みんなの水遣りのおかげもあって、色づき始めました)

オンライン保育園が今日29日で終わります。4回目の親子フラワープロジェクトも、成功でした。お花屋さん、ありがとうございました。長い休園期間でしたが、来週6月からは「オフライン保育園」が再開です。でも、オンラインをやってみて、新しくつながった気持ちや再確認できた思いも感じることができました。とにかく再開にまでたどり着けそうで、少し気持ちが軽くなっています。みんな元気で6月を迎えましょう。

コロナ時代でも保育で変えてはならないもの

2020/05/28

(園だより6月号 巻頭言より)

6月1日から保育園が再開します。25日からの登園準備保育(慣れ保育)で、久しぶりにお会いした方も多かったのですが、皆さん元気に過ごされたようで、ホッとしました。子どもたちも、一旦園生活に戻ってきてくれれば、すぐに元気に飛び跳ねて遊んでくれました。休園であっても、皆さんと少しでも繋がっていたくて、オンライン保育園で「つなぐ・つながるプロジェクト」を実践してみましたが、いかがだったでしょうか。保育園へのスムーズな登園に、ちょっぴりでもお役に立てたのなら嬉しいです。

この約2か月に及ぶ休園の原因である「コロナウイルス禍」によって、失うものも大きく、その影響はこれからも続くわけですが、その一方で「家で子どもと一緒に過ごせていい時間でした」という方や「仕事と子育てが一緒で大変でしたが、こんな経験は滅多にできないから、前向きに頑張りました」という方もいらっしゃって、それぞれのご家庭によって、自粛生活もいろいろだったんだなあ、と思えば当たり前のことに気づかされる今週でした。

日本も世界も大きな傷を負ったわけですが、今なお続くこの渦中にあって、返って「大切なものに気づくことができた」という話もよく聞くようになりました。緊急事態宣言が解除されても「以前と同じ生活には戻れない」「新しい生活様式が始まる」と言われます。これからは、人と人がマスクで遮られ、どこでも物理的な距離をとる生活が続くのだといいます。

ところが、それを保育に当てはめて考えると、変える必要があるものと、どんなに時代が変わっても、保育で変えてはならないものを、しっかりと見極めていくことも大事です。その一つが「子ども同士の関わりの中で育つものをなくさない」ということです。子ども同士の関わりで象徴的な言葉あります。それは「アタッチメント」です。日本語では愛着と訳されますが、本来は「くっつく」という意味です。子どもと子どもがくっつくこと。群れること。肌と肌が触れ合うこと。抱っこすること。先生の膝の上で安心を取り戻すこと。こうした「くっつくこと」ができなくなったら、もはや保育ではありません。

新しい生活様式になっても、子どもが育つために必要な条件まで、変えてしまっていけません。大人と大人がマスクによって、仮に隔てられた感じがしたとしても、心が通じ合うことまでなくしてはいけません。そこを決して見失わないようにしたいと思っています。

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