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園長の日記

楽しみな絵本の読み聞かせ

2020/11/04

今日4日(水)は福田さんによる読み聞かせがありましたが、この時間を楽しみにしている子どもたちがたくさんいます。たとえば、2歳児クラスのにこにこ組の子どもたちは、朝から「今日、福田さんくるね」と待ち遠しくしているそうです。実際に読み聞かせが始まる時間になると、あっという間に丸テーブルに集まり、読み終わると「タッチして〜」「またきてね〜」と手を触りスキンシップも求めていました。にこにこの先生も「水曜日は朝からとても張り切っているんです」と喜んでいます。

わいらんすい(3〜5歳)の子どもたちも同じで、2グループに分かれているのですが、後半のすいすい中心グループは、予定していた絵本が終わると「え〜、もう終わり。これも読んで!」とリクエストも。前半グループで読んでもらった絵本ももう一回読んでもらっていました。

 

保育でオンラインが成功するポイントは?

2020/11/03

昨日2日(月)にオンラインで行った「LaQ教室」ですが、クラスブログ(パスワード必要)「わらす」で紹介しているように、大変活気ある活動になりました。組み立てパズルLaQ(ヨシリツ株式会社、本社:奈良県吉野郡大淀町)は、昨年から結構長い期間、遊んできているので、子どもたちちとっては、親しみのある遊具だったからでしょう、とても集中して取り組んでいました。これまでやったことのなり組み立て方、「すご〜い、こんなものもできるの!?」という驚きがいっぱいでした。

今後オンライン教育は、小学校以降の学びや生活では、当たり前になっていきます。オフラインだと、その場を共有しているので、その場の雰囲気や個別の状況が分かりやすいのですが、オンラインだと情報の発信元の先生や講師に伝わらないこともあります。そこで今回の「LaQ教室」では、子どもが「いいな」と思ったら拍手をする、というレスポンスの方法を採用していました。このようなオンラインマナーのようなことも、学ぶ機会になっていました。

今回はコマを作ったので、伝承遊びでやってきた「どんぐりコマ」や紐を巻いて投げて回すコマ遊びと、どこかで重なったり、つながったりしたことでしょう。パーツを組み立てて立体物を作り上げていく過程には、数学的(幾何学)思考力や論理的思考力も使います。STEM保育にもなっているわけです。工学=エンジニアリング(E)や数学=マセマティックス(M)です。色合いや形を工夫するアートの要素もあります。

こんなものを作りたいという目的のために、どのようにしたら達成できるかということを考えることは最近、流行っているプログラミングと同じです。輪を作ってそれを入れ子にしてチェーンのように繋げば、伸び縮みしたり回転させることができます。また円形の歯車のような形を作って組み合わせると、動力を伝えるギアを作ることもできます。

このような見本が紹介されるたびに、子どもたちから拍手が起きていました。単純な形の素材をつなげて創造的に何かを作り上げることのできるもの、と考えると、積み上げるだけのレンガブロックや平面展開しかできない平面パズルよりも造形の世界は広がります。レゴブロックとも似ていますが、素材が小さいので部品を作ってさらにそれらを組み合わせて別のものに発展させるという造形がしやすそうです。

オンライン保育の可能性は、実践しながら色々なことが見つかりそうですが、一方的な動画配信と異なるのは、リアルタイムな双方向性、オンラインの先にある相手が身近な人やものであることです。春のオンライン保育園や、田んぼの稲刈りの場所からの実況中継、オンラインでの睡眠講座などをやってきましたが、いずれも成立するためには、上記のような要素が成功の秘訣になりそうです。

散歩先の柳森神社から、秋葉原駅を展望できるエレベーターホールから、秋の紅葉が美しい北の丸公園の雑木林から、訪問先の小学校や学童から「今、ここにいるよ」「こんなのあったよ。持って帰るからね」と保育園に伝える、ちょっとした数分間のライブ配信があってもいいでしょう。「わらすのお兄さんお姉さんたちが行ってきたところだね」と、ぐんぐんさんやにこにこさんが興味を持つかもしれません。子ども同士をつなぐツールとしても活用していきたいと思います。

 

睡眠講座マムズサロンの11月以降の開催予定

2020/11/02

Mam’s Salon 全体ポスター(2020年度)11〜3月のコピー

11月以降の睡眠講座「マムズサロン」の日程が決まりました。前期に続き全てZOOMで開きます。全て無料です。講師は永持伸子さん。

自宅からご家族で参加できます。ご夫婦でどうぞ。

時間は毎回午前10時〜11時です。

11月6日(金)20日(金)

12月4日(金)22日(火)

1月15日(金)

2月18日(木)22日(月)

3月5日(金)19日(金)

参加申し込みは、電話かメールでお知らせください。

電話 03-6811-6686

メール  c.seiga@chiyodaseiga.ed.jp

 

大人も本気で「どうしてだろう?」が大事

2020/11/01

30日に行った「うく?しずむ?」実験をそばで見ていた先生に感想を聞き、私なりに色々な反省点が見つかったのですが、その話の中で「ひび割れたミニトマトは浮いた」ことを発見した3歳児クラスの子ども数名がいたことを聞きました。KKくんが「ミニトマトが浮いた」ことを話してきたそうです。実験では普通のトマトは浮き、小さなミニトマトは沈んだのでした。

私はあんなに水っぽいトマトは沈むんじゃないかと思っていたので、トマトが浮くこと自体に驚いたのですが、その後にやったミニトマトは、「それならこれも浮くんだろうな」と思ってやったら沈んだので、さらに予測が外れて、非常に面白い展開になったのです。

ところがです。子どもたちが、しかも3歳児クラスの子が、沈んだはずのミニトマトが浮いていることを発見したのです。先生によると、その時の子どもの様子は明かに意外性を訴えていたようです。さっきは沈んでいたのに浮いた!という意外性です。

このようなことに驚くことができることが、幼児がSTEM保育をやることの最も大きな意味があるところなのです。「さっきはこうだったのに、今度はどうしてこうなんだ!」ということに気づくこと。「知っている」ということではなくて、あれ!なんで?という気づきであり、小さな驚きです。そこから、試す、確かめるという活動を保育の中に用意していく必要があります。

そこで早速、家でやってみました。ミニトマトに傷をつけてしばらく水の中に入れておいたのです。すると、確かに浮きました。ミニトマト全体が水を吸って膨張して密度が小さくなったのです。それならと、試しに料理でトマトの皮を剥く時に熱湯につけると皮が縮んでむけやすくなりますが、ミニトマトを同じように熱湯につけておくと、最初は沈んでいたのに、皮がひび割れてくると、浮きました。

水に浮くか沈むかは、その物の比重が、水よりも大きか小さいかです。水の密度は1㎤あたり1gです。つまり「1㎤/g」です。ただし4°Cの時です。氷になると膨張して密度は「0.9㎤/g」と小さくなるので、浮きますよね。こんな密度や比重の概念は、子どもたちはずっとあとで学ぶわけですが、浮いたり、沈んだりする本当の理由を理解するために、その現象に「あれ、どうしてだろう、面白いな」と感じておく感性が「サイエンスへの扉」を開くのだと思います。

おかげさまで屋上がきれいになりました

2020/10/31

昨年夏と今年の夏、2シーズンに渡って活躍した屋上のプールがきれいになりました。やってくださったのは保護者のお父さん方です。大変助かりました。ありがとうございました。目隠しのシートも撤去し、屋上の床に敷いているクッションマットも外して洗浄してもらいました。また3階のベランダで使う砂場の組み立てと設置もやっていただきました。

なかなか職員だけでは手をつけられなかった屋上の整備ができて、大変ありがたく思います。これで、広くなったスペースを使って、寒くなっても運動や縄跳びなどができそうです。

 

わくわくユリイカ!(STEM保育)うく?しずむ?

2020/10/30

明日31日のハロウィーンを前に、かぼちゃを使った科学実験をわいらんすい(3〜5歳)の子どもたちと楽しみました。題して「うく?しずむ?」です。

使った材料は、実験をした順番に並べると(写真)バナナ、にんじん、きゅうり、まつぼっくり(乾燥したもの、濡れたもの)、かき、たまねぎ、かぼちゃのおもちゃ、ピーマン、みかん、さつまいも、トマト ミニトマト、りんご、卵、かぼちゃです。

1つずつ「うくかな?しずむかな?」と尋ねながら、水槽にそっと入れていきます。やっていて楽しかったのは、その理由についての子どもの発想です。

一番最初に取り上げたバナナですが、3本がつながったままだったのですが、うきました。すると「しむず」に手をあげていた年長のJくんが「(うくのは)きっと曲がっているからだよ」というのです。「お、面白い考えが出たぞ」と思い、みんなに「今、聞いた。Jくんはとても面白いことを言ったよ。曲がっているから浮いだんだ、って」。

できるだけ、起きている現象についての理由について、子どもの「考え=仮説」を大事にしながら進めました。曲がっていないバナナがなかったので、仕方がないので、形のにている人参やきゅうりをやってみることにしました。

表にしながら、「浮いた!」「沈んだ!」を楽しんだのですが、大人も意外だったのがトマトは浮いて、ミニトマトは沈んだ時でした。

最後にかぼちゃをやったんですが、流石にそのずっしりとした大きさからか、「しずむ」に手をあげた子どもたちが多かったのですが、実際は浮きました。最後に、私がちょっと捻った問題を出してみました。「じゃあ、浮いたかぼちゃに、沈んださつまいもを乗せたらどうなるだろう」をやってみたのです。ガムテープでくくりつけて、そ〜っと浮かべると、水の中で「クルリ」とひっくり返りました。

その様子をみて喜んでいた子どもたちでしたが、その中から、わいわい組のHくんが、自分ならもっと上手にやれる、ひっくり返らないように浮かべることができる、というのでやってもらいました。静かにそっと水面に浮かべようとしていました。彼はやり方によっては、ひっくり返らずに、かぼちゃの上にさつまいもが乗るだろう、という仮説を持っているのです。

実験が終わった後、ちょうど千代田区から部長さんと課長さんが視察に来られたのですが、実験をしたことを説明してい時、すいすいのAくんが、かぼちゃ+さつまいもがひっくり返って浮いたことについて、「さつまいもが沈んだでしょ、だから重い方が下にクルって、なったんだよ」という考えを披露してくれました。同行していた区の教育部長が驚いていました。

 

ちなみにAくんは「どうやったらひっくり返らないように、さつまいもを載せることができるか、他の浮いたものを使ってできないか」を探求しています。

上半期保護者アンケートより

2020/10/29

園だより11月号 巻頭言より

 

コロナ禍の保育で幕を開けた今年度の保育について、保護者のみなさんからお寄せいただいたアンケートを読ませていただき、「頑張ってやってよかった」と嬉しく思いました。これから先、一体どうなるのか不安だらけの4月5月。子どもの育ちと保護者の皆さんの子育てを支えるために、何ができるのか、それこそモデルなき暗中模索の連続でした。

休園中の保育、オンライン保育、つながるプロジェクト、再開前の慣れ保育、全て初めての事ばかりでした。6月から再開したあとも、春の保護者会や親子遠足はできなかったので6月に個人面談を集中して実施し、また4月5月の誕生会を遡って開きました。7月の納涼会や夏の水遊びやプール開放、9月からバス遠足、10月の保育参観、そして親子運動遊びの会と、行事も感染対策を講じた上で実施できました。アンケートでは、行事などをすべて中止にするのではなく、できる範囲で実施したことについて多くの支持をいただきました。

特にコロナ禍の保育で「良かったこと」としてコメントが多かった順に、ベスト5は「フラワープロジェクト」「動画配信せいがチャンネル」「夏のプール遊びとプール開放」「屋上菜園と自然と食育」「千代田せいが文庫」でした。特にフラワープロジェクトは多くの方から「保育園に行くきっかけになった」「親子とも癒された」「できれば続けてほしい」という声をいただきました。自粛と引きこもりによる精神的な悪影響をどうやって防ぐか、それを必死で考えたあの時期を思い出します。これからも「花と潤いのある生活」は継続します。また7月から始めた「千代田せいが文庫」が大変好評なのも嬉しいです。

ところで、三密を避けたり手洗いや消毒、換気を徹底したりしながら、≪感染対策とセットで進める保育≫がある程度、軌道に乗ってきた中で、以前と大きく変わったことは、社会と時代の進展が加速したことです。政府が前から唱えていた「ソサエティ5.0」などが実質的に進みます。

そこで当園の保育もリアルとオンラインのハイブリッドが当たり前になるでしょう。もちろん子どもの体験はリアルでなければなりません。実際に五感を使って見たり触れたり、これは鉄則です。しかし遠方との交流(姉妹園や保護者の職場)や保育の可視化はオンラインも活用します。

そこで12月の「お楽しみ会」は会場の広さにどうしても限界があるので、動画撮影したものを一定期間、複数回、上映する「映画館方式」にします。個人情報の漏洩防止のためにオンラインはまだ避けたいと思います。今後の技術の進展を待ちましょう。

そして屋上やベランダを整備して砂場などを設けましょう。これからも果敢にチャレンジしていくつもりです。どうぞお力添えのほど、よろしくお願いします。(保護者アンケートの結果は、別ページをご覧ください)

浜町公園で感じた子どもたちの成長

2020/10/28

運良く晴れの日が続く今週は、毎日外遊びができていますが、今日28日(水)はわいらんすいが今月3回目の「バス遠足」として、14日に続く2回目となる「浜町公園」まで出かけました。園から15分足らずで着くので遊ぶ時間が結構ながく取れます。今日は24人が遊びました。

公園の中央にラグビーボールを縦半分に割ったような築山があり、その片側に大小のブランコ、砂場、シーソー、ジャングルジム、小さい滑り台、大きな滑り台付き複合遊具が点在しています。それらの遊具で遊んだり、その周辺を鬼ごっこで走り回ったり、どの子も我を忘れて遊びに没頭していました。この子らの姿を見て、次のような成長を実感しました。

(1)確実に足腰がしっかりしてきた。どの子も転びません。これだけ起伏があり坂道もあるのに、転んですり傷をつけたり、ぶつかって怪我したりした子が皆無でした。鬼ごっこでは、かなりのスピードで逃げたり追いかけたりしていますが、しっかり走っています。体幹が育っていることがはっきりします。

(2)手で自分の体重を支える懸垂力がつている子がいます。らんらんのHちゃんは、小学生がやるような雲梯を上手に渡ってしまいました。前後の体を揺らしながらタイミングよく右手、左手と交互に次の棒を掴んで進んでいくことができました。これも毎日のようにネットや綱にぶら下がっていることで伸張した力でしょう。

(3)順番をまったり、協力して遊んだりできる姿が増えました。それを感じたのは人気のシーソーにわいわい、らんらんの子どもたちが群がった時です。我先にと取り合うような状況だったのですが、乗る子とそばで押す子などにうまく分散しています。そして交代していました。この場面に行動抑制の効いた実行機能の発達を感じました。

(4)集合することが上手くなりました。遊び始める前のオリエンテーション、途中で1回の水分補給、そして帰りの集合。どの場面でも以前よりも格段に先生の話す方向に注意を向けることができるようになってきました。

(5)自分でできるできないの見通しと判断ができるようになってきました。この公園は1〜2歳の乳児も遊べるように、小さい滑り台があるのですが、地域の子どもに順番を譲ったり、年長さんでも手が届かない高さの鉄棒は無理をしないでやめたりできていました。

他にもいろいろなことが成長しているのですが、とにかく思いっきり全速力で走り切ることができる広い公園の魅力を再確認しました。こんなに走り回って遊べる場所の貴重さを改めて感じました。

伝承遊び「あやとり」

2020/10/27

10月から始まった「伝承遊び」のうち、3歳児クラスのわいわい組の子どもたちから「やってえ〜」とか「見てて〜」と声をかけられると、あやとりの「ほうき」だったり「東京タワー」だったり。かなりのブームになっています。あやとりは手指を1つずつ動かすので、指のいい運動になります。

https://asoppa.com/asopparecipe/4189208 ホームページ「あそっぱ」より

それまでに「トントントントンひげじいさん」とか「グーチョキパーで何作ろう」とか、いろんな手遊びを楽しんできた子どもたち。その子たちが今度は中指だけを動かしたり、親指と薬指で摘むように糸を引いたりといった「指技」ができるようになってきたのです。私たち保育者は、こうした指先を使った遊びを「微細運動」と言ったりします。その反対は全身を使った運動で「粗大運動」と呼んだりしますが、微細と粗大を対比させる分類は、それこそ粗雑な分類のように思えます。

あやとりは、このように「運動」でありながら、つながった一本の「ひも」が色々な形を作ることができる幾何学遊びと捉えることもできます。また友達と交互に糸を指で取り合い、色々な立体図形を作り続ける造形遊びにもなっています。わいわい組のKくんは「ほうき」の最後の方で、左手の人差し指と中指と薬指の3本の指を紐の間に差し込んで、紐を手の甲の方へ裏返すようにするのですが、そこがどうしてもできなくて、地団駄を踏んでいます。

同じわいわい組のSくんが、そのやり方を根気強く教えてあげていました。こんなに「やりたい」「できるようになりたい」という強い気持ちがあれば「人生何とかなるよ」と心で太鼓判を押してあげました。たかがあやとり、されどあやとり。決して侮れない伝承遊びです。

月見で「見ているもの」「感じるもの」

2020/10/26

「お月様はお顔みたいだね」とその子は言いました。やっぱり、こんな感想を持つ子が可愛いと思ってしまいます。科学の視点でお月様を見るよりも、私たちはファンタジーに包まれたままでいたい。お月様にはウサギがお餅をついているねと、そんな絵本の世界のままにしておきたいと思う自分がいます。

数分もすると、望遠鏡の○の中から月は見えなくなります。大人はその事実を理解するために「地球が自転している」ことを思う浮かべます。子どもは月が東から南へ昇っていく(移動している)ことに、どのように気づくのでしょうか。月の形が変わっているのは、大抵の子どもは気づいているのですが、時と共に東から西へ夜空も動いていることを、子どもはどのように知るのでしょう?

紛れもなく見えているものは、かなり遠くの風景です。地球から月までの距離は38万キロもあります。時速200キロの新幹線だったら80日もかかります。秒速30万キロの光なら1秒とちょっとです。つまり、目に見えるお月様は1秒前の姿を見ているのですが、そんな遠くの景色を地球上で見ることができるでしょうか? 地上でいくら遠くを見ても、地球は丸いので、その先は見えません。私たちは、こんなに遠くのものを見ることは「月」ぐらいしかないのです。そのことに私たちはあまり気付いてもいません。

見ているその光は太陽光の反射なので、太陽まで遡ると8分以上前に発せられた光が私たちの目に届いていることになります。月は地球との引力で引っ張られながら、1秒間に1キロの猛スピードで地球を回っています。こんなに早く動いているものを眺めていることにも、気付いていません。そんなに早く動いているのに、それでも地球を一周するのに一月もかかるのですから、その宇宙フィールドのなんと大きいことでしょう。

大人になると、こんな話に「ユリイカ!」を感じるのですが、3歳や5歳の子どもが望遠鏡の中のお月様を見ることで何を思うのだろうと、そっちの方に興味があって、どんな感想を漏らすんだろうと、そばでピントを合わせてあげていました。科学的に何かを知ることが、いつだって何よりも大事だと主張するつもりはありません。私たちは生理的な感覚(五感)をさえ超えて、第六感や第七感を夢見る想像力も失いたくもないからです。

望遠鏡で月を眺めながら、何を見るかは自由でありながら、その自由であることの難しさもありますねと、月が物語っているようでもありました。

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