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園長の日記

感染爆発にならずに「持ちこたえている」状態

2020/03/10

政府は新型コロナウイルス対策で現状を「感染爆発にならない前段階であり、なんとか持ちこたえている」という趣旨の認識を示しました。今日10日の尾身副座長の説明では、感染爆発は第5次感染に至ることのようなので、現状はその一歩手前の第4次感染の状態だそうです。この状態は、感染経路が辿れる第3次感染から、もはや多くの感染がどこから感染したのか、その経路がわからない患者が多くなっていることを示します。まさしく瀬戸際ということです。そこで政府は「イベント自粛はあと10日の延長を」と求めました。では、いつになったら収束するのでしょうか。

◆8割はインフルエンザよりも軽い症状

注目したいのは、複数の感染症の専門家が、新型コロナウイルスの脅威について「高齢者と基礎疾患(糖尿病・肺炎など)のある方にとっては重症化に注意」としながらも「それ以外の8割は普通の風邪のように回復しているので、その点では季節性インフルエンザと変わらない」という見解が出始めています。この2面性が新型コロナウイルス対策を拗らせている原因になっていそうです。

ところで、季節性インフルエンザでは、数ヶ月にわたって感染が続き、第510次以上の感染爆発を毎年起こしてきました。報道によると、昨年は3000人、他の病気との関連死を含むと1万人以上が亡くなっているといいます。ずっと前から、季節性インフルエンザの対策にもっと力を入れて欲しいという意見は強くあったので、今回の対策によって、今年はその数字は格段に改善されるでしょう。

◆毎日の感染者発生数が減っていく局面に早く

インフルエンザのように、新型コロナの治療薬やワクチンが開発されれば、重症化を防ぐことに特化した対策に移行して、国民が冷静に受け止めていくプロセスに入っていくことができます。そのためには毎日の発症数が2週間ぐらい続いて減少していく必要があるでしょう。クラスター感染の発生箇所も減る必要があります。また政府は、経済の停滞をどうしても回避しなければなりませんし「非常事態宣言」は実施したくありません(宣言すれば、オリンピック開催の中止ないし延期、見直しは必至となりますから、いつでも出せる法案は成立させておいても、決して宣言しないと思います)。

そこで319日までに数値が降下傾向を示すとは思えないので、次回の見通し判断では「収束を確実にするために3月末まではもうしばらくの辛抱を」とか「もうすぐ簡易検査キットが開発されます」といった趣旨の「強いお願い」がなされることになるのではないでしょうか。

福祉の構造的改革が残した負の遺産

2020/03/09

▲Uくんが私にくれた手紙「えんちょうせんせい

ころなういるす だいじょうぶですか」

 

今日9日は、ある人に「福祉の構造的改革が、いかに深刻な悲劇を残してしまったのか」レクチャーしてきまた。その内容は、保護者の皆さんにも、ぜひ理解してもらいものなので、少し詳しく説明します。

人類の歴史を紐解くと、協力する資質を持っていることが、今私たちが存在している精神性の根拠であることがわかります。協力的であることに離反する行為は集団から指弾されるので、他者から、つまり所属する集団の仲間から認めてもらうという承認がとても重要なことでした。その資質を私たちは先天的に根強く持っているのですが、残念なことに、生活コミュニティを喪失し、生活の生業が人工的なルールのもとに分業化してしまった現代社会では、その承認欲求が家庭や仕事先などで満たされない時、人にどういうことが生じやすいかというと、優越性の誇示に走ってしまうのです。言い換えると、潜在意識の暴走に歯止めをかけることができない人が出現してしまうのです。これが「クレーマーの暴走」という、人間関係におけるメタ認知に乏しい野蛮で美しくない人間性の出現を許してしまうのです。

日本の福祉サービスを提供している施設に課せらているルールは、本来は「愛」と「心の通い合い」と「共感」に基づく「協力」によるものでした。人の文化はこれによって豊かに創られ、支えられてきたのです。この構造や歴史的背景を知ることはとても大切です。そこに「人間性」があるからです。

そうでなければ、人が生きていく上でとても大切なものに気づけないのです。ここが分からないと形式的論理の罠に陥りっている自己の惨めさに気づくことさえできなくなるのです。無意識のうちに自己の優越性を誇示する行為は、本質的なコミュニケーションを欠く人間関係しか構築できず、相手を傷つけていることにすら気づくことができなくなる危険性さえあります。

形式的論理を振りかざす知性は、いかに人を「幸い」から遠ざけてしまうのか、そのことを悟ってもらいたいと願わずにはいられません。この無自覚が何を引き起こしているのか。それは人生における本質的なもの、つまり人と人が「信頼し合い」、「心を通わせながら」、「人は不完全で誤ちを犯さざるを得ない存在であるがゆえに、改善の仕組みと同時に、寛容と許しが必要」なのです。

ですから人生において「人間同士が助け合い、寛容な心でお互いを認め合いながら内発的な学びを続けていく喜びを賞賛し合う」ことが尊いのです。

私たちはロボットのように生きることはできません。それに似たことを求められても、千代田せいが保育園が求めている「理想」とは違いすぎます。児童福祉のルールが立ち上がってきた経緯の理解は大事です。日本の福祉サービスの歴史において、措置から選択へ転換していった福祉構造改革のメリットとデメリットを理解しておくことは大事です。日本で「選択」と「直接契約」にふみきったときに生じた弊害があります。それは「利用者」が「サービス」の享受者であると位置付けたことで、サービスの質が「自己中心的で市場主義的な満足度」で支配されていく悲劇が始まったのです。サービスの提供者は、市場経済の奴隷になっていきます。賢明なる保護者の皆さん、この福祉の歴史と構造をぜひ勉強していただきたいと思います。

春なのに春遠し

2020/03/08

今週末には桜が咲くと予想されているのに、こんなに心の弾まない春を迎えることになるなんて、残念で仕方ありません。花見の本場、上野や千鳥ヶ淵、隅田川の屋形船での花見の自粛も残念かもしれませんが、姉妹園の卒園式では、在園児の参加が叶わず、謝恩会もひらけないことになってしまったからです。私の仕事の優先順位を表す4象限マトリックスで、右上つまり重要で長期の枠に「子どもたちの将来がどうなるのか」があって、その未来予想のテーマの中で「病原菌」がこんなに早く登場するとは思っていませんでした。

その未来予測を読んでいると、日本を飛び立つ丹頂鶴のニュース映像を見ても「これがもし温暖化の影響で北上しているネッタイシマカだったら」と連想してしまいます。ドイツの研究では「熱帯地方にいた蚊が、温暖化の影響で地中海地方や東北ヨーロッパにまで北上している」といいます。このネッタイシマカは、マラリアやデング熱、ジカ熱などを引き起こす病原体を媒介します。マラリアは日本にいるとピンとこないのですが、すでに2016年には世界で2億人がマラリアに感染し、推定45万人が死亡しているそうです。最近のことですが、それが他人ごとではないような気がしてなりません。人と動物が地球上を移動するとき、一緒に病原体も運ばれます。

地球温暖化はシベリアの永久凍土や南極大陸の氷を溶かし、そこに眠っていた未知の病原菌が蘇生してしまう可能性を、専門家が真剣に議論しています。こちらは人も動物も移動はしませんが、いないはずの場所から目覚めるという話です。すでにロシアで実際に起きているから、目覚めてしまった病原体は時間の問題でまた世界に拡散されてしまうのでしょうか。WHO(世界保健機関)によると、新型コロナは中国のコウモリが自然宿主であろうと見られていますが、現在日本では、非常事態宣言を出すかどうかの瀬戸際に追い込まれてしまいました。

明日から当面の2週間の後半が始まります。いつ落ち着くのか、全くわからなくなってきました。政府はこれが落ち着いたら、内閣官房に各省庁から職員を集めて司令塔役をやっている今の「事態室」任せではなく、省庁の権限の上か、独立した感染症対策専門の機関を作ることを検討するそうですが、早く準備しないと、いろんな緊急事態がやってくるような時代にすでになっている気がしますが。

成長を感じた今週の一瞬

2020/03/07

今週、とても印象に残った子どもの一瞬があります。

お散歩から帰ってきた「ちっち」「ぐんぐん」の子どもたちが、玄関で「ただいま〜」と言ったのです。私の記憶では、いつも先生たちに「おかえり〜」と言われていたので、子どもたちは、それを真似して「おかえり〜」と言って玄関に戻ってきていたのです。それが今週はちゃんと「ただいま〜」だったのです。ちょっと前からそうだったかもしれませんが、私には「お、自分を客観視できるようになってきたな」と思った瞬間でした。

「にこにこ」さんになると、その自覚はもっとはっきりとしています。周りの中で自分がやりたいことと、お友達がやりたいことを察して、自分の行動を選んでいる姿が見られます。にこにこの部屋へ入る扉が閉まっているときに、Sくんが開けてあげようとして寄ってくると、それを自分もやりたいと思ってみていたNくんが彼に譲り、私が帰るときには、今度は扉を開けてくれました。ちょっとしたことなのですが、他者の意図と自分の意図の折り合い、見通し、判断というものが姿となって見えてくるようになってきました。クラスブログでも、お手ふきタオルのエピソードが微笑ましいですね。

「わいわい」と「らんらん」の子どもたちが、朝の運動遊びを楽しんでいた時、見事に自分たちのやりたい遊びを分散してやることができていました。

ネット遊び、クライミング、トランポリン、ダーツ。この4つを別々にやっています。すると「お相撲さんやりたい」となると、クライミングに保護用のマットを3枚立てるのですが、それを子どもたちで並べだします。クライミングとお相撲は両立しないことをわかっており、しかもその入れ替えがスムーズだったのです。さらにらんらんのTAくんは、「おしまいにする」と言って、一人で靴下と上履きを履いて、絵本ゾーンの方へ移ったのでした。

やりたいことを自分で選んで自己決定し、遊び始めて、遊び終えることができるようになってきました。これは自由遊びの自立です。言われて始まり、言われて終わるのではありません。他律ではなく自律です。素晴らしい。こんな姿が年度末に見られるようになってきました。4月から進級しますが、どのクラスの子どもたちも、とても楽しみです。

季節性の感染症は激減

2020/03/06

▲子どもによる「手洗い呼びかけポスター」

千代田区の看護師さんと昨日5日(木)に情報交換したところ、手洗いの徹底によって区内の保育園の冬の季節性感染症は例年に比べてものすごく少なくなっているそうです。つまり、その看護師さん曰く「みんなが毎年、今のように手洗いうがいを徹底すれば、インフルエンザやノロウイルスの流行を抑えることができることが証明されたようなものです」とおっしゃっていました。

◆11万人も減少!

今日6日(金)に驚いたことがありました。それは千代田区の昼間人口が11万人も減少しているそうです。テレビニュースで、1月後半に比べて2月後半はこんなに昼間の人口が減っているそうです。千代田区には約6万人の人が住んでいますが、昼間はその10倍の人が毎日やってきています。つまり60万人から80万人の人が千代田区で働いているそうです。それが一気に11万人も減っているというのですから、新型コロナウイルス対策によるテレワークの影響は大きいことがわかります。

それと同時に、昼間人口の多さを改めて実感しました。こんな狭いところに、毎日80万人もの人が行ったり来たりしているのですから、すごいところだなと改めて思います。都市部の昼間人口の急激な減少によって、商業施設への影響も大きいようです。

 

新型コロナウイルスで家庭や職場で変化があったら教えてください

2020/03/05

 

新型コロナウイルスで、保護者の方のご家庭で体調が悪い方が発生したり、職場から感染が発生して急遽、自宅待機になるなど、家庭や職場で変化があったときは、保育園までおしらせください。

本日、以下の掲示と同時にお知らせを配布しました。

20200305 家庭や職場での変化があったら・・

 

おひなさま、バイバ〜イ

2020/03/04

にこにこ組(2歳児クラス)の子どもたちが無性に可愛い。可愛いなんて、ベタな表現で申し訳ないが、その中身を言葉でどう伝えたらいいんだろう。それはもちろん私の心に映った可愛らしさであって、誰もがそう思うのではないかもしれないが、それでもあの可愛さにはきっと多くの人が「参った」と感じるんじゃないだろうか。

「何してんの」と私に聞くにこにこさん。私は今日4日の午前中、雛壇を仕舞っていた。雛人形の一人ひとりに、柔らかい和紙で顔をそっと包み、撚って「こより」にしたティッシュを紐がわりに結ぶ。顔の隠れたお人形が、屋上に続く階段に並んでいる。ちょうどその時に何人かが寄ってきた。にこにこさんたちが、4月からの生活に慣れるために、一足早く3階で遊んでいたが、ひとしきり遊び終えて、そろそろお昼ご飯の時間だから2階に降りようかという時だった。

お雛様を仕舞うということをどう伝えたらいいんだろう。思い浮かんだ言葉は「おかたづけ、してるんだよ」だった。このオカタヅケなら、にこにこさんも知っているだろう。でも、子どもたちは紙で隠れた顔が気になるようだ。だからこその「何してんの」と、Sくんは興味津々。「お雛様とお別れなんだ。バイバイ〜って。また来年まで、元気でねえ、って。箱にしまうんだけど、お顔は大事でしょ。おでこ、ごっちんてしたら痛いでしょ。お人形さんも同じ。ごっちんしたら痛いから、こうやって顔に紙を巻いて守ってあげているんだ」のように説明した。

この牛さんはどうなる?あれはなあに? 嫁入り道具の品々を説明していると、ままごとのおもちゃのようにも見えてきて、お茶点てのセットを詳しく説明してあげた。中でも楽しかったのは、菱餅があれが食べられるお餅なんだとわかってもらうために、もぐもぐと食べるふりをしたら、5人ぐらいになっていたにこにこさんが全員食べたそうにしていたので、一人ずつに「はいどうぞ」としてあげたら、全員「もぐもぐ」と美味しそうだった。

見立ての世界にす〜っと入っていって、しかもそれがものすごく自然に幸せそうな表情で嬉しい笑顔を見せてくれる。こんな子どもらしさは、2歳児の特徴だと思う。もう少し小さいと、まだよくわからない。もう少し大きくなると知が立ってくる。この素朴なあどけなさがたまらない。そう感じたお雛様バイバ〜イのひと時でした。

1階の絵本コーナーは改良中!/ひなまつり

2020/03/03

1階の絵本コーナーにあった赤いソファを「ちっち組」のリラックスコーナーに移動しました。新しい本棚も届いたので、1階の絵本コーナーを少し改良して、それとは別に2階のダイニングにも絵本ゾーンを作ろうと計画中です。スペースが狭いので未だに試行錯誤で申し訳ありません。ただ、大変うれしいことに先月2月中旬に、保護者の方からたくさんの絵本をいただきました。遅くなりましたが、皆さんにもこのことをお知らせすると共に、改めてお礼申し上げます。まだ全部は並べていないのですが、ラベルを貼ったり貸出カードを用意したりしています。もう少しお待ちくださいね。

◆昨日も今日もお休みは一人だけ みんな元気です!

昨日の2日(月)から小中高校の臨時休校が始まりましたが、園児に小学校以上のお兄さんやお姉さんのいる方は、いかがでしたでしょうか。いきなりやってきた春休みに、最初は突然の友との別れに悲しかったり、休みになって嬉しかったりするのかもしれませんが、ずっと家にこもっているのも、退屈だったり、つまらなくなったりしないのでしょうか。案の定、今日のテレビ番組では原宿やカラオケで遊んでいる高校生が報道されていましたが、気持ちはわからないではないなと思います。政府は来週10日(火)に緊急対策の第二弾を公表するそうです。

一方で保育園は昨日も今日も、一人だけ都合休みで、ほぼ全員元気で登園しています。元気が何よりです。毎日元気で保育園に登園してきてくださいね。

◆今日は「ひな祭り」の行事を楽しみました

どうしてひな祭りでお雛様を飾るのだろう。その謎を明かす紙芝居を見て、その後、お雛様にちなんだクイズをやって、

それから「うれしいひな祭り」を歌って楽しみました。

お昼ご飯は、ひしもち形をした「ちらし寿司」と「おばなのおひたし」と「麩のすまし汁」でした。

 

今後の予定を検討中

2020/03/02

このような状況がいつまで続くのか? 今日はGTの園長たちが集まって研修会や視察などの計画を話し合いました。

一旦、中止にした成長展ですが、実は今週の半ばごろからお迎えの時に見てもらう代案があったのですが、小中学校の一斉休校が決まったことや、イベントの開催自粛、企業のテレワークなどの動きを見えていると、規模を変えたとしても、また実施できる状況にはないと判断し、もう少し先に伸ばすことにしました。

ただ、もう少し先がいつなのか見えませんが、3月15日が一つの区切りだと考えています。その頃までに、先に保護者アンケートを実施させてもらい、その後、成長展などは落ち着いたら開催したいと思います。

 

明日からも保育は通常通りです

2020/03/01

千代田せいが保育園は、明日2日(月)からも通常通りの保育を続けます。これまで以上に子どもの健康状態だけではなく、子どもと接しているご家族の健康状態についても、普段と異なる様子があれば、出来るだけお伝えくださるようにお願いします。登園やお迎えの時に、手洗いとアルコール消毒の徹底をよろしくお願いします。

職員や園児、あるいは保護者の方から感染が発生した場合、千代田区からの指導により保育がストップします。そうならないために、職員は徹底的に感染予防に徹しています。また保育では閉鎖的な施設へは行かないようにします。

人が集まる大規模な催事の中止や延期、外出自粛が始まった日本。明日からは自治体によっては学校の一足早い春休みの開始、そして会社は自宅勤務や休業が明日から大規模に始まります。千代田区の小中学校も2日から休業に入ることが決まりました。28日の通知は以下です。

20200228区立小・中・中等教育学校における新型コロナウイルスに関連した臨時休校の対応について

この状況はとりあえず314日頃まで続き、その頃の感染者数や病院の検査態勢、発熱外来の整備状況などを鑑みて、その後どうするかが決まっていくのでしょう。それが4月なのか5月なのか、今のところ見通しは全く立ちません。緊急対策が功を奏して、早く落ち着きを取り戻したいものです。

ただ、ここにきて韓国、イランだけではなく中東、ヨーロッパやアメリカ、アフリカでの感染が明らかになってきました。実態に対して数字が発表されるまでが時間的に遅れているのが心配です。

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