石に色を塗りたい!今日はこの希望に忠実に従って始まったのですが、まったくゴールは見えません。ひたすらそこから偶然に起きていくことを楽しみ、たどり着いたものが結果的に、カラフルな石でできた「バランス積み石」のようなものができました。
発端は本人も私もよく覚えていないのですが、私には「色遊びの素材の世界を広げてあげたい」という漠然としたイメージしかありません。そこで、先日、丸いツルツルした石を手に「これに絵の具で塗りたい」と言ってきた子がいたので、アクリル絵の具で今日塗ってみたのです。どういうわけか、色のイメージが先に決まっていて、先日から「緑」と言っていました。すると今日は、緑と白を混ぜて、塗り上げたのです。
それが面白かったのか、もっとやりたいから、石を拾いに行こうということになり、園庭代わりの「佐久間公園」へ出かけて、本人が「いいな」と思ったお気に入りの、大小さまざまな石を拾ってきて洗って乾かしました。
(食後は柳森神社で「神田藍染の会」の方に、藍の枝葉をいただきました。その話はまた別の機会にします。)
間食のあとで乾いた石に絵を塗って遊びました。いろいろな色が偶然にできるのが面白く、私も一緒に描いて楽しみました。石に塗る前の、色作りの段階でいろいろなことを試し、混ざっていく色の変化が、じゃあ、こうしてみたい!を引き起こしています。
そんなことを繰り返しながら、塗る石もなくなると、そして最終的には、いろんな形と色の石を並べはじめ、そこでこんな遊びをし出したのです。
それは石を積み上げ出したのです。
すると、どうでしょう!なんともいえず、綺麗なんです。石のコラージュ遊びのような感じです。クライミングのように積み上げて、きゃ〜落ちた!とかやる面白さもあります。乗せて並べる「通り」はまさしく無限です。いろんな乗せ方、滑り落ちない角度を探したり、バランスをとったり・・。最後は綺麗な箱に入れて、一つの遊具セットのようなものが出来上がりました。
まさか、こんな遊びの「ひと段落」(終点ではなく、また何かの起点になりそうだから)があるとは思わなかったので、ちょっとした満足感があったようで、担任に促されて、他の子どもたちに見せて、一緒に遊んでいました。もう夕方になって、朝からずっと続けてきた遊びを振り返るうちに、子どものやりたいことを徹底して満たしていくと、何か面白いことが立ち上がってくる感じがします。
そこで生まれる「ひと段落」は、決して当初からイメージしていたものとはズレており、思わずたち上がってくる面白さや美しさなどの「お、いいな」なんです。それが世界の既知から未知への端緒となる印と窓になっていて、そこにみつけた世界の扉はどうしても開けたくなっていくのですが、それを探究といってもいいのでしょう。
こんな1日を振り返ると、昨日に続き、無藤隆先生が4日のfacebookに書かれている「世界への関わりの感触を探ることとしての柔らかさ」が思い当たります。この「柔らかさ」が、子どもと石と色の関わり方が広がっていくことに通じるのかな、と思います。定まった目標どおりには事は運ばず、他の目標や道筋が増えて、結果的に豊かになっていくという世界との出会い方です。以下の文章です。