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園長の日記

栄養士目指す学生と園児が交流

2023/12/27

栄養士を目指している学生さんたちに、今日は遊んでもらいました。学生さんたちが用意してくれたのは椅子取りゲーム「フルーツバスケット」でした。各自がりんごやみかん、大根など「冬に美味しいもの」になって輪になって座ります。輪の中央に立っている子が「みかん」とか「だいこん」などと言うと、言われたフルーツや野菜の子は別の椅子へ急いで移動するというゲームです。

ゲームを用意してくれたのは同じ区内にある短大の学生さんたちで、この学校とは実習やボランティア体験の受け入れ、私と当園の栄養士による特別授業での講義など、関係を深めている間柄です。1月末に保育園で子どもたちち一緒にクッキングをするので、今日はその初顔合わせでした。お昼寝の時間だったので、起きている子どもたちが希望制で参加しました。学生さんに自己紹介と「冬に美味しい果物や野菜」について話してもらい、その後、椅子取りゲームを楽しんだわけです。

この学校の学生たちに、私たちが講義や実習で伝えてきたことは、一言でいうなら、「食の営み」は「栄養学」を包摂しているということでした。食の営みは保育のある一面をさし、保育である以上、さまざまな専門性の相乗効果で成り立ちます。それは、例えば医療が医師、看護師、医療技師、栄養士などから成り立つチーム医療であるように、保育も保育士、看護師、栄養士ら協働で成り立つチーム保育であるということです。その具体的な活動の一つに調理もあり、それも子どもがかかわるということでした。その調理体験を1月末にやります。食の営みとしての食育です。

 

生存に必要な「世界の探索」という視点

2023/12/26

最近、これまで使っていた言葉に新しい意味が付け加わっていく感覚があります。私にとって、もっとも大きな変化は「遊び」の定義です。これは無藤隆先生に教わったもので、12月の園だよりの「巻頭言」として、12月1日付のこの欄で、すでに紹介したものです。味わい深いので何度も呟いて(もちろん頭の中でですが、笑)います。

「遊びは思いつきをする楽しさと,そこから少し先の目標を立てて実現しようとする課題解決の充実感からなる。それは物事の可能性を知ること。私の言い方では環境からの呼びかけに応えて、世界性へと開かれること。そして、そこでの目標を立てての課題解決の練習となる」

遊びをこのように捉えると、生活と遊びという区別に意味はなくなり、年齢もあまり関係ないように思われます。さらになぜ人間は進化の中で遊ぶようになったのか、ということを考えても、少し先の目標を立てて実現しようとすることで身につくことは、子どもが大人になった時に有利だという考えとも矛盾しません。また石器時代の人類の多くが大人になれなかったことを踏まえても、子ども時代にとっても意味があります。たとえば課題解決の充実感から様々な認知・非認知的スキルの習得につながるとも思えるからです。

そして私の中のキーワードとして急浮上しているのが「探索」という言葉です。保育の中で、探索活動という言葉を聞かない日がないくらい、頻繁に使われ、書かれています。たとえば、昨日と今日の0歳クラスの日誌を見てみましょう。

「・・・コンビカーに乗ってみる中で足で蹴ると進むということを習得し、広いホールの中を気のおもむくままに走っていました。広々とした環境に心も開放的になり、ダンスしたり探索したり…思わず体が動きだすような子どもたちの姿がありました。」(12月25日)

「・・・お兄さんお姉さんの遊びをよく見て、同じようにやってみたり、やってみる?と誘ってもらって、そばで見守ってもらうことで、安心して探索にふみだす様子がありました。」(12月26日)

探索ではないにしても、発見や収集などの姿は毎日のようにみられます。新しい場所に出かけて、いろんなことを発見して思い思いに体を動かし、いろんなことを試しています。

確かに私たちは生きるために必要なことを優先してきたに違いなく、そのために、まずはありとあらゆるものが、世界の知覚から生存確率を高める行為に繋がっていたはずです。その行為が生存に役立たないなら、私たちは今生き残っていないでしょうから。その生存のスキルの向上に、子どもの探索は役立っているのではないかと思えてきたのです。

そういう意味で、ヒトは探索の名人であるはずです。新しいものが好きであること、そこに生存に役立つものは取り入れ(たとえば旨・甘・塩・酸・苦みのうち、栄養になる旨味や甘味は好むなど)、危険なものは避ける(腐敗と毒の可能性が高い酸味と苦味は避けるなど)などは生得的な味覚として備わっています。ただ、厄介なのは人間が良かれと思って人工的に作り上げてきたが、私たちの生存を脅かし始めているということです。

もちろん自然も脅威(天変地異など)であることは変わりません。しかし、それに匹敵するほど、あるいはそれに勝るほどの生存の危機(核兵器や環境問題など)をもたらし始めているのも事実でしょう。私たちが作り出すほとんどのものは、一旦人間の表象を通過しているので、つまり人が考えて作り出したものがほとんどなので、何かデザインされているものばかりです。

ソサエティ5.0の時代に、人間が作り出している環境が、もし子どもにとって必要な経験になっていないとしたら?たとえば小児科学会が2歳頃まではテレビを受動的に一人でけで見せないようにと啓発しているように。あるいは、子どもの「遊び」になっていない生活や活動だったりが、増えてしまっているような心配もあります。その境目なり区別なり、本当の正しい問いはなんだろうと考えたり。それは私たち大人に必要な世界の探索なのかもしれませんが、かなり難しい課題だと思います。

 

お楽しみ会(幼児)に向けた活動

2023/12/25

1月20日(土)に行う幼児の「おたのしみ会」。3つのクラスで、それぞれ何をやりたいか、話し合いとその活動(遊び)が始まっています。保護者に発達をお伝えする行事は年齢別で行っています。これから時々その経過報告をしていきます。以下は、まず年長さん。

10日ほど前の12月14日から、年長の最初の話し合いと活動は始まりました。

「おたのしみ会に向けた話し合い、初日。最近は、ダンスや楽器等が盛り上がっており、みんなに「みてもらいたい」という気持ちがありながらも、いざお父さん・お母さんに見てもらうとなると、恥ずかしい~という気持ちが出てきて、劇でクレヨンのくろくんを演じるのことも検討していたのですが、ペープサートで行うことになりました。子どもたちとつくっていく『クレヨンのくろくん』果たして、どんな作品になるのでしょうか・・・!」

自分たちが何かをやったときに、「ねえ、ねえ、見て」と、すにぐ見せたがるのが子どもたちですが、お楽しみ会のように協同して何かを創り上げるとなると、それはまたいろいろな意味で難しいようです。年長はとりあえず夏の誕生会でやったことのある人形劇『クレヨンのくろくん』を「みてもらいたい」と決って活動が始まりました。

そして今日25日に、その2回目の活動があって、前回と今回の分のドキュメンテーションが張り出されました。保護者の方には、その日のうちにネットでお知らせしているものです。掲示することで、これを見たりしながら、子どもと一緒に活動を振り返りながらの、これから約1か月後までの物語のスタートです。

ピアニカでの演奏を見てもらいたい子や、いつもやっている紙芝居の読み聞かせのように、絵本のお話(台本)を読んであげることを楽しみにしている子もいます。そのうち、役割の意味も実感されて、新しい関係(仲良し関係から同僚性に近い体験)も味わってもらいたいものです。

子どもも「いいから いいから」が口癖に・・

2023/12/22

今日はこんな絵本を読むよ、と3時のおやつの前に紹介しておくと、希望者だけが夕方の読み聞かせに集まります。選択制にすることで、聞きたい子だけが来るので私も子どもも過ごしやすく一体感のある空間になります。そういう空気感の違いに敏感なのが保育者でしょう。そこには心理的な無理がなく、面白くて楽しい空間になりやすいのです。

今日用意した絵本は2週間前に好評だった『いいから いいから』のシリーズの第二弾。温泉旅行に現れたおばけが、なんでも「いいから、いいから」と気にしないおじいちゃんに誘われて温泉にはいり、マッサージまで受けて・・・という奇想天外なナンセンスストーリー。子どもたちには、これが楽しいようです。

なんでも「いいから いいから」というようになります。読んでいて前に立ち塞がる3歳児の子に、私が「座ってみようね」と促しても、なかなか座ってくれない場面があったのですが、年長の子にすかさず「いいから いいから」と言われてしまいました。

クリスマスのお話も一つ『ねずみのフィピップ ぼくがサンタクロースだったらね』。これも「ちよだせいが文庫」の今のサンタ特集に追加しておきました。

そのあとは、年中のIRさんの強いリクエストによる『パンダ銭湯』。彼女が最も面白いと思うところは、パンダの目の周りの黒いところが、サングラスだったというところ。隠れていた、ちょっとこわい菱形の目が出てきて、その顔がおかしいらしい。そこが推しで選ばれました。耳の黒がワックスだった、というのも奇天烈で、年中ぐらいになると、そのおかしさにハマるようになるようです。

小学校との連携を話し合う

2023/12/21

今日は午後から千代田区の就学前プログラム策定の会議がありました。理論編に基づいて実践編の事例をどう冊子にまとめるのか、話し合いました。全国的に課題になっている「架け橋プランづくり」につながるような表現の仕方にしよう、ということになりました。小学校との具体的な連携に繋がるように、実践編を検討しています。

「ちよだせいが文庫」の整理整頓

2023/12/20

「ちよだせいが文庫」の本棚を整理しました。これまで2階のダイニングに置いていた本棚をなくして、2階の入り口にまとめました。今後は1階の本棚は乳児用の絵本をまとめていく方針です。

意外と難しい「音」をきくこと

2023/12/19

今日のお手伝い保育では「音」についての体験を試みてみました。3人の年長さん(すいすい組)を相手に、糸電話でお友達の声や、吊るした糸を伝わるスプーンの振動音、水を入れたワイングラスの共鳴音などを聞きました。

私の実験の意図は、子どもに「音」そのものを経験することは、どれくらいできるだろうか?と考えているからです。

私たち大人も幼児も、ふだん聞いている声や音は何にしても、そこに意味やメロディや象徴するものを「聞いて」いることが多いでしょう。音そのもの、ということがどういうことになるのか、そこも私もよくわからないとこが多いのですが、いずれにしても、できるだけ「音」そのものに注意を向けてみることができないだろうか?と思っているのです。

たとえば人の声は意味を聞いてしまいます。でも喉の声帯が振動し口腔や鼻腔で共鳴しているのですが、その「音」そのものは聞いていないのではないでしょうか。

(そこで、まず三人には私の喉を触ってもらい、ガギグゲゴと声を出してみるときに、のどがどう動いているかを感じてもらいました。そのあと自分の喉にも手を当ててもらい、おなじようにガギグゲゴを言ってもらいました。そのあと、ひそひそ話で話してもらうと、声帯が震えないことを感じてもらいました。あまりわからなかったので、次回はそこは工夫が必要でした)

例えば、遊びの中でよく登場する糸電話ですが、近くで二人がやっているのを見ると、糸はだらりとしていて、紙コップを耳に当てたまま喋っていたり、口に当てて「聞こえた!」と喜んでいたりと、まあ、実際には糸を伝わってきた振動を聞いているようには見えないことがよくあります。

もしかすると、糸電話の格好をした「電話ごっこ」をしているだけだったり、そもそもケータイで話す姿もあまりみなくなり(イヤホン越し)、ましてや聞く部位と話す部位がそれとわかる「受話器」は、もう見かけないので、糸電話が「聞く」と「話す」を同じコップを交互に使い分けること自体の意味がわかっていない可能性があります。ですので、年長さんでも意外とその面白さを知らないことが多いのです。

そこで、写真のように、こんなに離れてやってみました。しかも「ヒソヒソ話」で。確かにコップから声が聴こえた!という体験になったようです。3人とも面白い!といっていましたが、多分それまでの面白さとは違ったはず。

ワイングラスに水を注いて、指を少し濡らして、グラスの縁をゆっくりこすって動かすと、キーンという共鳴音がし出します。とても大きい音になるのですが、指をほどよい強さで押し付けながらこする力の加減がちょっと難しいのですが、「あ、鳴った」というときの感触を覚えていくと、鳴らすことができるようになります。3人とも鳴らすことができました。

それからやってみたのは、食具のスプーンを糸で吊るして、先端を輪にして指にひっかけ、その指を耳の穴につっこみます。そしてスプーン(フォークでもなんでも金属がいい)をたたいてみます。ぜひやってみてください。とてもいい音がします。お寺の鐘のようにゴーン、といつまでも鳴っています。

そして最後に、部屋のなかに面白い音がないかを探しをしてみました。今回は棒で叩く子が多かったのですが、いつも登っているネットを揺らしてみたり、階段の手すりを手で、こすってみたり、少し広がりも出てきました。偶然、楽器ゾーンにあったトライアングルも、スプーンを鳴らしたように触らないで吊るした方が良い音がする、と言うことに気づいたようです。

音探しから新しい楽器との出会いになったならいいのですが、どうだったでしょうね。

 

 

 

睡眠講座「赤ちゃんのねんね講座」の日程変更

2023/12/19

平日の参加があまりないので、1月からの残り5回のうち4回を

すべて「土曜日」開催に変更します。ぜひ、ご参加ください。

1月13日(土)27日(土)

2月10日(土)20日(火)

3月9日(土)

 

 

来年1月14日(日)「小学校ってどんなところ?」座談会

2023/12/18

園長のコーヒータイムや日曜開放を通じて、こんなことをやってみたいという話になりました。題して「小学校ってどんなところ?みんなで話そう座談会」。1月14日の「にちよう開放」の日の午後1時から3時にやることになりました。

座談会チラシ

「小学校生活ってどんな感じ?」「我が子に合った学校って?」。卒園して小学校になったご家庭の親御さんたちの交流の機会に、また就学に向けての不安や疑問などを聞いてみるいい機会にもなりそうです。

「にちよう開放」にどうぞ

2023/12/17

園長の「にちよう開放」は月1回のペースですが、今月12月から来年2月までは月2回開いています。子どもたちは園内で遊びながら、親御さん同士で何かやりたい時などにもご利用ください。私以外の職員はいないので、基本的には親御さん同士で子どもの面倒を見てもらっています。昼食を親子でみんなで一緒に食べて帰る、という流れが出来始めています。

 

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