MENU CLOSE
TEL

園長の日記

私たち大人は行動していると言えるのか?

2022/08/07

小学6年生の二人が、一生懸命、長い時間をかけて考えて紡ぎ出した言葉に、私たちは学ぶことができます。

「自分が優位に立ち、自分の考えを押し通すこと。それは強さとは言えません。本当の強さとは違いを認め、相手を受け入れること。思いやりの心を持ち、相手を理解しようとすることです。本当の強さを持てば、戦争は起こらないはずです。・・・今度は私たちの番です。被爆者の声を聞き、思いを想像すること。その思いをたくさんの人に伝えること。そして自分も周りの人も大切にし、お互いに助け合うこと。世界中の人の目に、平和な景色が映し出される未来を創るため、私たちは行動していくことを誓います」

昨日6日の広島平和記念式典から。

危険な核抑止論の罠

2022/08/06

8月6日の広島平和式典で、湯崎英彦広島県知事は次のように述べました。全く同感です。現実を直視することは、核抑止論に依拠しない知恵と行動を求めました。その部分を引用します。

「・・しかしながら、力には力でしか対抗するしかないとする現実主義者は、なぜか核兵器について肝心なところは、『指導者は合理的は判断のもと使わないだろう』というフィクションたる抑止論に依拠しています。本当は『核兵器が存在する限り、人類を滅亡させる指導者が出てきかねない』という現実を直視すべきです。今後再度、人間のこの逃れなれない性に根ざす行動を取ろうとするとき、人類全体、さらには地球全体を破滅へと追いやる手段を手放しておくことこそが、現実を直視した上で求められる知恵と行動ではないでしょうか。」

幼児の部屋の模様替え

2022/08/05

3階には3歳児クラスのわいわい組、4歳児クラスのらんらん組、そして最年長5歳児クラスのすいすい組の子どもたちが生活しています。このクラスの子どもたちは、同じ場所、同じ生活空間を共有して、一緒に生活しているのですが、最初からいくつかの活動エリアに分かれており、当園ではそれを遊びの「ゾーン」と呼んでいます。子どもが熱中して遊びだすと、スポーツでよく言われる「ゾーンに入る」というのと同じで、その世界に没頭しています。そんなふうに遊び込めるように、部屋を最初からゾーニングしているのです。

お泊まり会が終わった7月中旬、この3階のゾーンニングの見直しを開始しました。それぞれのゾーンでの遊び方をもっとよくするために、場所を入れ替えたり、広くしたり、子どもが歩いて行き来する動線を変えたりしました。どんな方針でそうしたかというと、静と動の活動のバランスをよりよくすること、絵本やごっこ遊び、のんびりリラックスする場所を明確にすること、それぞれのゾーンでの過ごし方が安定すること・・・などを念頭におきながら、あれこれと試してくれています。

職員のコロナ感染で長い期間、家庭保育や保育時間でご協力をいただき、やっと今日5日(金)から通常の保育に戻してて行きます。久しぶりに子ども同士も再会できて嬉しそうです。新しいゾーンでの過ごし方に慣れてきた頃に、お休みいただくことになってしまいましたが、今日からまた再スタート。どうぞよろしくお願いします。

家庭保育と保育時間のご協力に感謝

2022/08/04

保育時間の短縮と家庭での保育のお願いは、本日4日(木)をもって終了となります。本当に長い間ご不便をおかけしました。また多くの方にご協力いただき、ありがとうございました。心より御礼申し上げます。ただ、引き続き療養されている園児や保護者の方もいらっしゃいます。みなさんと一緒に元通りの保育園生活に早く戻れることを願っています。なお、本日正午までに、新たに陽性となった園児はおりません。

(写真は今日の昼食)

保育体験のキャンセルや延期

2022/08/03

新型コロナウイルスの感染が流行ってしまうと、予定していた保育や行事も変更を余儀なくされます。特に普段一緒にいる子どもたちや職員とは異なる人たちとの接触が難しくなるので、保育園での保育体験やボランティア受け入れなどはキャンセルや中止、延期にならざるをえません。本来、本日3日から、東京都社会福祉協議会が主催している高校生の職場体験を受け入れる予定でしたが、このような状況になってリスケせざるを得なくなりました。

きっと楽しみにしていたはずの高校生の皆さんには、本当に心苦しく申し訳ない気持ちです。コロナ禍で失われた体験が人生の岐路になっていくかもしれないと思うと、どこかで再体験できるように計画したいと思います。

映画「こどもかいぎ」から生まれた応援団

2022/08/02

映画「こどもかいぎ」をみた子どもたちが、自分たちで会議の場を増やす活動を始めています。その様子が昨日1日、NHKで放送されました。ここで紹介されている子どもたちは、実際に企業にプレゼンに出かけたそうです。頼もしい限りです。

出会いも別れも永遠の一部

2022/08/01

(園だより8月号 巻頭言より)

神話や昔話を読んでいると、こちら側と向こう側のちょうど境目がよく出てきます。私たちが見慣れている世界がこちら側で、まだいったことがない未知の世界が向こう側です。私たちは行ったことがないから、その世界を知らないわけですが、でも時々、向こう側へ行ったことがあるという人が書いた本を読んだり、そんな人の話を聞くことがあって、その人がいうには、私たちはみんな向こう側から来たんだという。

 

私たちは実は何度もそこに行ったことがあって、あるいはそこを通過してきていて、そこだけでは成就できないことのために、また必要だからここへ来て、そしてここでいろんな人々と分かち合った体験をまた向こうへ持ち帰り、生全体のために生かすのだと。そんな生と死のつながりの物語を、幾度となく私たちはすでに経験しているのだと。

 

私たちがどこからやってきて、どこへ向かうのか、という問いは「永遠の問い」と言われていて、私たちの通常の意識では答えに辿り着くことはできません。それでも人間は、ずっとこの謎と向き合って生きてきました。実にさまざまな答えや物語を生み出しながら。この永遠の問いからは、決して逃れられないのが、私たち人間です。

 

私の答えは、こうです。向こうのことはわかりようがない、という事実を前提に考えることです。どうも〜こうらしい、を信じるのではなく、まず、こちら側のことをちゃんとわかろうとすることです。こちら側でちゃんと生きることです。「向こう側のことがわからないと、こちら側をよく生きられない」という前提を止めることです。わからないもののせいにしないで、わかり得るものを、もっとよくわかろうとすること。それがわからないことがわかった時にも、きっと後悔しない生き方になるはずだからです。

 

わかろうとしさえすれば明らかになることが目の前にあるのに、なぜ、わかり得ないとわかっていることに、わかったようなふりができるのでしょう。目の前の子どものことも、もっとよくわかろうとすることでわかること、そして分かち合えることがいっぱいあります。そして目の前に子どもがいない時でも、なくなることはない精神の存在を信じることもまた、その子のあり方を認めてあげることになることでしょう。私たちは、私たちが思っている以上に奥深い存在です。出会いも別れも永遠の一部なのです。

藤森理事長が遠藤熊本市教育長と対談

2022/07/31

当園を運営しているの社会福祉法人省我会(藤森平司理事長)は、現職の保育士のキャリアアップ研修を主催しているのですが、この秋からは現職の園長やその候補も含めた養成研修も手掛けることになりました。そのスタートアップ・イベントが今日31日(日曜日)、東京・高田馬場の「日本児童教育専門学校」で遠藤洋路・熊本市教育長をお招きして開かれました。

遠藤氏は、文部科学省に勤めていたことから国が進めている教育改革の内容を熟知している方で、昨年中教審が答申した方針を熊本市で早速具体化しています。この日のイベントでは藤森理事長と遠藤教育長が、これからの教育や保育について対談しました。キーワードは個別最適な学びと協同的学び。このフレーズは、私たちの周囲に留まらず広がっていく言葉になっていくといいのですが。保育に置き換えると「自分らしく、思いやりをもって」ということと重なります。

遠藤氏はその紹介サイトなどによると、1997年文部省(現・文部科学省)入省し、2002年ハーバード大学ケネディ行政大学院修了(公共政策学博士)。06年7月文化庁文化財部伝統文化課課長補佐。07年4月熊本県教育庁社会教育課課長。09年8月内閣官房知的財産戦略推進事務局総括補佐。10年10月同省退職、11月に青山社中株式会社を起業し、共同代表。14年法政大学キャリアデザイン学部兼任講師(現代教育思想)。17年より現職。著書に『みんなの「今」を幸せにする学校』(時事通信社)などがあります。

https://toyokeizai.net/articles/-/583968

 

 

納涼会はまた別の日に

2022/07/30

今日7月30日(土)は納涼会を行う予定でしたが、オミクロン株の流行で残念ながら延期することになりました。今年は保護者の皆さんと話し合いも行い、出していただいたアイデアも盛り込みながら計画してきましたが、運営するスタッフが足りなくなったこと、参加できる家庭がごく少数に限られてしまうことが予想されたので延期を決めました。みなさんと一緒に創り上げる行事を中止にしてしまうことはしたくないので、実施できそうな時期を見計らって、再度計画したいと思います。

(写真は和泉橋からみた保育園屋上のひまわり)

スズムシは夏のむし

2022/07/29

スズムシは「秋の虫」の代表ですが、実際は夏に鳴き始める「夏の虫」だってことを教わったのは、千代田せいがに自然を取り入れたいと、方々の「虫屋さん」を探し回った時のことです。一度、その話はこのコラムでご紹介した記憶があるのですが、それにしても卵から幼虫になり、数ミリの成虫になっていく過程を見てくると、そしてこの7月末には早くも鳴き始めるんだということを目の当たりにすると、スズムシの盛りが夏なんだ、ということを実感します。

ひっそりとした保育園の玄関で鳴き始めた保育園育ちのスズムシたちは、お互いに程よい距離をとって、求愛の合唱を奏でています。羽を震わせている音なので鳴き声、という言い方は正確ではないのでしょうが、数秒のインターバルを置いて、リズムカルに染み入ってくるような声は、確かに優しく涼しげです。

 

top