MENU CLOSE
TEL

STEM保育・自然科学

夕立のあとに虹がかかって

2020/08/13

ゴロゴロと雷がなるたびに、数人のぐんぐんさんが「こわいよ〜」と先生に抱きつきます。先生が「かみなりさんはね、おうちには入れないから、心配しないで、だいじょぶ」と安心させています。

空が明るくなり、雨が上がると、東の空に虹がかかりました。わいらんすいの子どもたちも3階で見つけました。屋上のひまわりも雨で潤いでいます。夏ですね。

 

モンシロチョウを追って・・

2020/06/26

木場公園に出かけてみると、子どもたちがまず立ち止まったのは、目的地として想定したた芝生広場ではなく、そこへ着くまえの、駐車場と道路の間にある大きな樹木並木の根元でした。駐車場のアスファルトから黒土の地面へ足を踏み入れると、7人のらんらんさんは、どの子も枝や葉っぱを拾い始めたり、ワラジムシやダンゴムシを見つけたり、何の実だかよくわからない丸いものやら、根っこに土が絡まったモジャモジャした塊などに「何かあった」「みて、これすごいよ」と子どもたちが群がります。この姿に、子どもたちの「いま」をみる気がしました。バスの中で「今日何したい?」という小林先生の質問に「ダンゴムシ探し!」「蝶々をとりたい」と答える子どもたちだったのですが「ナルホド、もう、ここでそれが始まるんだ!」と妙に感心しました。

芝生広場に着くと、子どもたちをずっと惹きつけ続けたのは、やっぱり「蝶」でした。モンシロチョウの仲間のチョウが、ひらひらと芝生の中を蜜を探してとんでいるのを見つけると、走り出す子どもたち。それがずいぶんと遠くまで、飽くなき追跡が始まるのです。T君やK君が追いかけ始める後を私がついていくと、緑の帽子を網ががわりにして、葉の上の止まった蝶に帽子をかぶせて生け捕りにしようとします。が、そう簡単に捕まらないのが蝶の舞です。その蝶との鬼ごっこはかれこれ40分以上は続いたでしょうか。どうしても自分でとるんだという執念に近い情熱を感じます。この気持ち、わかりますか? 私も少年時代に確かにあったな、という感覚を思い出しながら、虫を捕ることにひたすら没頭した子どもたちのこの時間は、他では代替できない時間であることは間違いありません。

虫に興味のない方のために、日本で代表的な虫好き3人男(養老孟司・池田清彦・奥本大三郎)の鼎談を『虫捕る子だけが生き残る』(小学館101新書)からご紹介しておきましょう。

池田 「自分でいろいろ工夫して、我慢して、やっとの思いで捕れたときの喜びって、何物にも代えがたいですよね」

奥本 「標本を買っても嬉しいんだけどね」

池田 「欲しいものが手に入ったという意味では嬉しいですけど、自分で捕ったらやっぱり喜びもひとしおで」

奥本 「それは比べものにならないね」

養老 「そいういう喜びを、今の子どもたちにも味わってもらいたいということです」

この本の「まえがき」で池田氏は「虫捕りには、創造性、忍耐力、反骨精神などを養う、すべての要素が詰まっている。もし、あなたが、あなたのお子さんの人生を楽しく、有意義なものにしたいと願っているのなら、是非「昆虫採集」と「昆虫収集」を薦めたらよいと思う。(あなたではもう遅い)。金持ちになるかどうはか保証の限りではないが、幸せになることだけは約束しようではないか」と述べています。

虫が捕れた子も、捕れなかった子も、それぞれに喜びや悔しさを味わった1日でした。

保育園の「田んぼ」で田植え体験

2020/06/05

私の前の園には、小川が流れていて、その出発地点が2畳ほどの田んぼだったのですが、その小川と田んぼを作ってくれたのが神宮司さんです。その時の田んぼは、不耕起栽培といって、耕さない田んぼでした。つまり一年中、水をたたえた水耕栽培で稲を育てていたのです。

実は、昔の日本の田んぼは、そうした不耕起栽培が主流でした。年中、田んぼに水があるので、メダカやタガメ、ザリガニなどが生息していて、カモやサギなど水鳥がいました。そうした耕さない田んぼには、稲作機械が入りません。どうしても手作業になってくるので、時代ととともに、大規模な田んぼで耕運機を入れて耕すために、一旦、水を抜くことが普通になっていきます。それによって田んぼの水中動物は姿を消していき、ついにメダカが絶滅危惧種になっていったのでした。

という前置きが長くなりましたが、今でも不耕起栽培をしている千葉県の藤崎農家からいただいていた稲が、千代田せいが保育園にもやってきました。屋上にあるバケツの稲がそれです。オンライン保育園の間に屋上の菜園で、バケツの田んぼが誕生しました。

都会の真ん中で「土」作り始まる!?

2020/06/04

子どもたちのために保育園の周囲に、できるだけ「自然」を取り戻したいと、事務長の神宮司さんにお願いしたら、なんと本格的な「本物の自然」がやってきました。神宮司さんは根っからの自然派であり、しかも「本格」でありながら、そのエッセンスを、子どもたちの身近なところに実演(再現)してくれます。その数々は後でご紹介するとして、オンライン保育園の活動の中で、まだご紹介していなかったものが「稲作」と「土つくり」です。今日は「土つくり」をご紹介します。

◆3階建ての「おうち」の中に住んでいるのは・・

やってきたものは3階のベランダにあります。この生き物が住んでいる「お家」は3階建てで、1階は「ふかふかのリビング」で2階が「ダイニング」です。3階は今後住民が増えた時のためのスペアエリアです。この生き物は野菜が大好きで、給食で出る野菜くずを与えると、数日のうちに食べてしまいます。そして、1階の「ふかふかしもの」が増えていきます。実は、このふかふかしたものが「土」です。

◆土を作ってくれているものは、・・

さあ、この「土」を作ってくれている生き物はなんだと思いますか?それは・・ミミズです。正確にはイトミミズ。正確には、なんて言っても、あんまり興味がわかないと思いますが(苦笑)、有機物の多い土の中には、たいていミミズがいるのが日本の土壌でした。しかし、そうした土になるまでには、かなり長い時間がいるのです。昨年秋、雨上がりの木場公園で、子どもたちが大きな「ミミズ」を見つけた時は、大騒ぎでしたが、そのミミズ君たちが保育園にやってきたのでした。

◆そっと覗いてみると・・

ミミズは暗い土の中にいるので、光が当たると土の中に潜ってしまいます。そこで、神宮司さんに、そっと「フロア」を持ち上げてもらい、リビングの階をのぞいてみると、います、います。お昼寝の時間に起きていた子たちと、その様子を観察しました。眩しくなって、急に「にょろにょろ」と動き出して土の中に隠れてしまいました。

◆土は生態系の土台である!

ミミズが住んでいる土は、地球の陸上の生態系の基盤です。土の中には色々な微生物が住んでいて、雑草が生えて、何十年すると雑木林ができ、微生物も増えて葉っぱなどを腐葉土に変えてくれます。その間に昆虫なども生息する場所となり、昆虫を食べる小動物が暮らし始め、またそれを捕獲する野ウサギやタヌキなどのいる森になっていきます。そして土の生態系の頂点に大型のイヌワシやタカなどがいたのです。陸上生態系のピラミッドが出来上がっていました。

◆生態系の体験にも・・

しかし、そうした土を土台とした生態系、つまり雑木林や森は都会にはありませんから、その生態系の繋がりを感じることができる一部分を、子どもの身近な生活圏に持ち込みました。毎日食べている食べ物がどこから来るのか。産地を示す「かまぼこ板」が玄関に展示されました。その残菜を、ミミズくんたちが食べて土が生まれます。その土がベランダや屋上で育っている野菜や果物の栄養に使われます。そしてイチゴやスイカ、キュウリやトマト、ナスやゴーヤが育っていきます。私たちが、そうした自然の循環の中で生きていることを、断片的ですが感じておくことで、小学校以降の学びの「根っこ」につながることでしょう。

 

 

令和2年度の保育カリキュラム

2020/04/01

令和2年度の保育カリキュラムは次の通りです。

令和2年度 全体的な計画(教育課程含む)(千代田せいが保育園)

重点目標は次の通り

•○ 都市型の保育→ 音環境・プライバシー・交通安全
•○ 感染症対策・自然災害(水害)対策
•○ 園庭の3要素(運動・自然・開放感)→ 地域を園庭として利用する 地域連携
•○ 子どもの発達の連続性(学年で区切らない保育)→ オープン保育
•○ 家庭と園生活の連続性(アロペアレンティング)→ 保育の協働性 信頼と対話
•○ 保護者と共に子どもにとって豊かな生活を創り出す → 身体・睡眠・アート

 

金魚とめだか

2019/08/15

直撃は避けられたとはいえ、台風10号の影響で時々、激しい雨、風に見舞われましたが、みなさんは大丈夫だったでしょうか。昼食を食べている頃、東の空に積乱雲が現れて「夏らしい雲だね。入道雲だよ」と天気が話題になりました。二十四節気では8日が立秋でしたが、残暑というよりこれから大暑といった趣きです。子どもたちには、いろいろな「涼のとり方」があることを伝えたいので、今日から金魚とめだかを飼うことにしました。

◆「夏はプール」は日本独特
保育園にプールがあるのは世界的には珍しいことです。海外の保育施設でプールはみたことがありません。学童に親水エリアを設けている施設はありました。先月視察したシンガポールにもありませんでした。日本は学校にプールがあるので幼児施設もその影響を受けて「夏はプール」というのが常識かのようになっていますが、この意識はちょっと「修正」しておきたいところがあります。それは「今日はプールに入れてよかったね。入れなくて残念だったね」という考えです。つい、私たちもそんな感覚になりがちですが、意識しておきたい大事なポイントじゃないかな、と先生たちと話し合ったりしています。夏の涼の取り方の一つが「水遊び」です。それも、いろいろあります。その一つが「プールの中での水遊び」です。
◆水を自分のものにしていく
一方で「泳ぎ方」を教えることは、ねらいにもなっていないのです。それよりも、全身で水と親しむことを通じて、水は滑りやすいとか、顔に水がかかっても平気になるとか、溺れないように泳ぐとか、安全な方法を学ぶことを大切にします。水と仲良くなり「水との付き合いが楽しくなる」ことが一番です。そのためには「プールに入る」のは、その一部分でしかありません。水を自分のものにしていくこと、といったらいいでしょうか。
◆涼の取り方の知恵を学びたい
私たち日本は四季に恵まれています。日本人は、この自然環境を生活の中に上手に取り入れてきました。保育でも同じです。「周囲の様々な環境に好奇心や探究心を持って関わり、それらを生活に取り入れていこうとする力を養う」(領域「環境」)ことが保育の大切なねらいになっています。自然の恵みや文化の知恵を学びたいのです。
また「自ら健康で安全な生活を作り出す力」(領域「健康」)も育てたいので、暑い夏には汗をかいて体温を下げることができる健康な身体を育みたいですし、自分から水分補給をする習慣も身につけてあげたいと願っています。
◆日本の夏の過ごし方は
ジメジメして湿気の多い日本は、通りに打ち水をして気化熱で地面の温度を下げ、風通しの良い家の間取りにして外気を取り入れ、陽が射す場所には葦簀(よしず)やつる植物の葉で日陰をつくり、浴衣など発汗しやすい綿や麻の薄物を身につけて、扇子や団扇で柔らかい風を肌に流し当て、風鈴の音色が涼しげな風情を演出していたのです。こうした「涼む」「涼をとる」といった生活を営んできました。食べものも、そうめん流しや冷麦など、口当たりのいい食感と食べ方にまで工夫を凝らしてきました。
確かに、大抵の集落は近くに川のある場所が選ばれたので、夏は川や池や海で泳ぐこともあったでしょう。しかし、それは「入れてよかった」などと評価されるようなのもでは、ありません。たまに川で遊んだ、といった程度のものです。幼児施設で、ほぼ毎日プールの中に入ることが、前面に突進してくるのは、最近のことなのです。
◆金魚もめだかも季語は夏
金魚は尾ひれを翻して泳ぐ様が涼しげであるところから、夏の季語とされています。それならば、涼しげに泳ぐ姿がよく見えないといけません。そこで、今日は「金魚鉢」を求めてきました。
同じく、めだか(目高)も涼を求めて鑑賞することから、季語は夏です。そこで「水鉢」に放してあげました。
午後のお集まりでは、私が「やりたいことがあるから、手伝ってちょうだい」と言って、金魚とめだかを大事に飼ってもらうように子どもたちに、頼みました。観察ゾーンのクワガタとカブトムシに、水中生物の仲間が加わりました。
新しくできた寛ぎゾーンも今日から人気の場所になっています。こちらの様子はまた明日、報告しましょう。

水槽に新しい仲間が来ました!

2019/08/01

事務所の入り口にある水槽に、不思議な身体の魚が増えました。名前は「トランスルーセントグラスキャット」。名前の本当の意味はわかりませんが、長いので「ガラスのように半透明な猫」と、勝手な訳をつけました。不思議なことに体が透明です。

 

坪井先生の説明文には「だから ほねが  すけすけなんだよ」とあります。ナマズの仲間だそうで、タイやマレーシアなどの東南アジアにいるそうです。

ホンモノの『はらぺこあおむし』でした!

2019/07/06

ついに「はらぺこあおむし」が、その姿を現しました。みかんの木は駐輪場の花壇の真ん中あたりです。開園式から、絵本や歌で、みんなで親しんできた子どもたちの『アイドル』ですが、本当に食いしん坊のはらぺこあおむし、みかんの葉をむしゃむしゃと食べています。葉っぱが全部なくなってしまいそうなので、何匹かは部屋で飼っています。絵本で見慣れた鮮やかな緑色ですね。鳥に見つからないように、完璧な保護色になっています。

↓数日前までは、こうでした!

カイコがまゆに

2019/07/04

七夕といえば、天の川を挟んで年に一度の逢瀬を待つ織姫と彦星。そして織姫が織っていたであろう絹織物といえば蚕。というわけで、カイコを2日から飼い始めました(無理ムリの展開!)。すると昨晩から早くも蛹になろうとして、まゆを作り始めました。見事です。シルクです。長い日本のテキスタイルの主役を張ってきた絹が、こうやってできるという姿を、ぜひご覧ください!

 

バス遠足は「しながわ水族館」

2019/06/29

6月28日

■初めての水族館

これまでの「原っぱ」から一転、6月4回目となる28日のバス遠足は「しながわ水族館」でした。暑い夏に冷たい水は気持ちいいから、この子たちを川や海に連れて行ってあげたい。でもいきなり川遊びや海水浴では、ハードルが高すぎる。じゃあ、どこがいいだろう。そんな話し合いからバス遠足の雨天時の候補地だった水族館へ、晴れても行ってみよう! そんな発想からわいわい、らんらんでマイクロバスで出かけて来ました。
■子ども目線でみる銀座
バスは日本橋から銀座の中央通りを走ります。平日の午前中の、まだ開店していないメルサ、ティファニー、ブルガリなどのロゴが目に飛んできます。
「こんな場所を通っていくバス遠足って、なんだか、ゼイタクだなぁ」。ブランド、ファッション、高級感のあるデザイン。そんな大人目線で過ぎ去っていく風景を眺めていると、「あっ、七夕!」「あっ、二階建てバス!」。
子どもたちの気づきに「子どもの目線」を教えてもらいます。バスが信号で止まると、隣の子が「あ、チコちゃん!」といいます。ルイ・ヴィトン松屋銀座店のショーウインドーの中にチコちゃんはいました。
道路が混んでいたので、少し時間がかかりましたが、チラリと見えた東京タワーの話になったり、子どもたちの気持ちをアゲアゲにするバスガイドの小林先生が繰り出す「車窓クイズ」(黄色いタクシーはど〜こだ?マクドナルドはど〜こだ?)を楽しんでいるうちに、目的地に到着しました。
■極めて高品質の水族館
水族館には、小学生や幼稚園の団体がたくさん来ていましたが、私たちは2つのグループに分かれて早速、見学を始めました。ここは、島国である日本が、いかに豊かな川や海の囲まれているかということを思い出させてくれます。以下、皆さんも一緒に、写真で水族館巡りの追体験をどうぞ!
【整備中の公園】
【大きなガラス越しに、気持ちよく泳ぐ魚たちが観察できる】
【多種多様な魚たち】
【海魚も川魚も、いろんな魚がたくさん】
【ペンギン】
【餌の魚を食べているペンギン】
【トンネル型水族館になっている地下へ】
【頭上に海が広がる】
【トンネル型のディスプレイ】
【群を作って周遊できるほど大きな水槽】
【エイ】
【ウミガメ】
【明るい説明表示が見やすい】
【魚たちの生態を間近に見ることができる最新型のディスプレイ】
【サンゴ礁と熱帯魚】
【ずっと見ていたくなる。癒される熱帯魚の究極の水槽】
【鮮やかな色彩がすばらしい】
【アザラシ】
【カクレクマノミ】「あ、二モだぁ・・」と子どもたち
【ふぐ】
【色々な種類のメダカ】
【メダカ】
【サメ】
■今日の続きは7月10日に
あっという間の水族館巡りは、時間が足りませんでした。また行きたいと思います。
帰りのバスの中では、小林先生による亀の大きさ比べなど水族館振り返りクイズをやったり、子どもたちからのリクエストによる歌(パプリカ、はたらくくるま、ドラえもんなど)を歌ったりして楽しみました。
□皆さんもご家族でいちど、楽しんでみてはいかがでしょうか。
(園長の日記で、保育レポートがどうしても幼児中心になってしまうことをお許しください。園長が同行しなければならない保育現場が、バス遠足などどうしても確認しておかなければならない場所やことがあると言う事情からです。できるだけ乳児も、取り上げていきたいと思います。)
top